沖縄・箱根でホテル建設続々 訪日客急増、外資系も潜在能力に着目

 
2018年8月開業予定の「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」のイメージ

 訪日外国人客の急増を背景に、地方のリゾートや観光地周辺でもホテル建設などの再開発の波が押し寄せる。アジアの中間所得層が厚みを増す中、地理的に近い日本の旅行先としての魅力は高い。その潜在能力に着目した外資系ホテルも相次いで開発に乗り出しており、群雄割拠の様相を呈している。

 「このホテルを目指して沖縄に行くという『動機の源』になりたい」。2017年12月に開かれた18年8月開業予定の「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」(沖縄県恩納村)の発表会。野口弘子総支配人は国内のハイアット初となるビーチリゾートの“勝算”を口にする。

 ホテルは豊かなサンゴ礁を有する瀬良垣ビーチに隣接し、約340の全客室で海を望む。ビーチで行うヨガなどの体験プログラムも計画。価格は1室平均4万~5万円だが「稼働率80%を目指す」(野口支配人)とあくまで強気だ。

 沖縄県の観光客数は500万~600万人台で推移してきたが14年に700万人を突破、16年の約860万人は米ハワイにも迫る水準だ。ハワイの約3分の1という観光収入も開発事業者にとっては伸びしろに映る。森トラストとヒルトングループが本部町の瀬底島に高級ホテルと長期滞在型施設を建設するほか、星野リゾートも読谷村で宿泊施設の建設を進める。

 温泉地や避暑地など日本の伝統的な観光名所にも開発のメスが入る。

 藤田観光は18年1月10日に約60年の歴史を持つ箱根ホテル小涌園(神奈川県箱根町)を閉館するが、訪日客向けの体験プログラムなどを重視した「箱根小涌園 天悠」を17年4月にオープン済みだ。インターコンチネンタルホテルズグループも全室温泉付きの「ホテルインディゴ箱根・強羅」(同)を19年に開業する。

 プリンスホテルは19年度から順次、軽井沢(長野県軽井沢町)や日光(栃木県日光市)、伊豆(静岡県伊豆市)などで会員制ホテルを開業、約20施設の展開を目指す。ゴルフ場やスキー場との連携で、別荘とホテルのいいとこ取りを目指すという。

 三井住友トラスト基礎研究所の北村邦夫部長は「観光客の多様な滞在スタイルを受け入れるべく、施設も多様さが求められている。再開発でニーズを満たせれば、自然や温泉といった日本の観光資源が生きる」と指摘している。