【2018 成長への展望】三菱電機社長・柵山正樹さん(65)

 

 ■省エネビルや自動運転が成長を牽引

 --2017年中間決算は売上高、営業利益とも過去最高だった

 「中身をみると、売り上げ増の約半分は為替の影響で、事業別では工場自動化(FA)機器など産業メカトロニクスの独り舞台、地域別でもアジアに偏重しており、特定地域の特定産業が支えている。全体が伸びる形で結果が出ればもっと良かった」

 --見通しは

 「主力のFA機器ではスマートフォン向けの投資がピークを過ぎるなど業種ごとに上がり下がりはあるが、生産性の向上は共通の課題であり、右肩上がりで伸びていくだろう。自動車機器も電動化の中で、モーターなどを手掛けるわれわれには追い風になる」

 --20年度に売上高5兆円、営業利益率8%という経営目標達成のめどは

 「年明けにトルコの空調工場や韓国のエレベーター工場が稼働するが、世界各地で行っている設備投資の成果をしっかりと刈り取れば、到達できる」

 --15年に伊空調メーカーを約900億円で買収して以降、大型のM&A(企業の合併・買収)はないが、今後積極化する考えは

 「売り上げ規模を増やすためのM&Aはまったくやる気はないが、事業を強くするためならやる。18年度も設備投資や研究開発を減らすつもりはない」

 --FA機器や人工衛星など8つの事業を成長の牽引(けんいん)として据えるが、9個目、10個目の創出が課題だ

 「ビルの空調や照明、昇降機、管理システムなどを一括で納めるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)は次の成長を引っ張る主役になる。昨年11月に白鷺電気工業から受注した事例では70%の省エネを実現した。製品単品ではなく組み合わせで技術シナジー(相乗効果)を出し、新価値を提案できる。受注件数は1桁だが、18年度には数十件の受注が獲得できそうだ。準天頂衛星など車外のインフラからの情報を活用した自動運転技術がうまく立ち上がれば、成長牽引事業になる」

 --IoT(モノのインターネット)技術を活用した工場での生産効率向上にも注力している

 「個々の機器(エッジ)側で処理を行う技術が強みだ。まず、われわれの全事業所に展開して成果を上げ、顧客にも提案をしていきたい」

 --収益性の低い重電システムのてこ入れは

 「発電機の注文は減っているが、再生可能エネルギー導入の際に電圧などを安定させる系統安定化事業は非常に伸びており、新しい方向にシフトしていく」

【プロフィル】柵山正樹

 さくやま・まさき 東大院工学系研究科修士課程修了、博士課程中退。1977年三菱電機。専務執行役、副社長などを経て、2014年から現職。兵庫県出身。