【2018 成長への展望】セブン-イレブン・ジャパン社長 古屋一樹さん

 

 □古屋一樹さん(67)

 ■新規出店と並行して既存店も活性化

 --国内のコンビニエンスストアは既存店客数の減少が続いているが、市場は飽和したのか

 「決して飽和状態ではない。高齢者や単身世帯、働く女性が増えている。こうした変化に対応した品質の高い商品を提供できれば、近くて1カ所で何でも買えるコンビニの潜在需要は大きい。確かにドラッグストアやスーパーなどと境界のない争いになっている。その地域でナンバーワンの店にならなくては売り上げは上がっていかない」

 --コンビニでの買い方に変化は

 「トイレットペーパーや歯磨きなど品質の高い日用品も、近くのコンビニで買いたいというニーズは増えている。これまでは置いていなかった12ロールのトイレットペーパーを店頭に置くようにしたところ、よく売れている。トイレットペーパーは大手メーカーのナショナルブランドを扱っているが、品質や安定供給に向けた生産態勢が整えば、プライベートブランド(自主企画品)も検討したい」

 --インターネット通販も台頭している

 「EC(電子商取引)が普及し、顧客の購買行動が変わってきているのは事実で、変化に対応していきたい。コンビニの優位性としては(1)店で商品が受け取れる(2)その場で決済ができる(3)返品ができる-の3点がある。セブン-イレブンでは、店舗にはないワインや書籍などをタブレット端末を使って注文し、店で受け取れるサービスを導入している」

 --2018年2月期に国内2万店舗となる

 「18年2月期は1600店を新規出店したが、来期も同じくらいの規模を出店するだろう。さらに、これまではオーナーさんとの契約期限を迎える15年を一つの節目に店舗をリニューアルしてきたが、これを10年程度に縮めて、既存店を強化している。単に新規出店を増やすのではなく、周囲の既存店も活性化することで、その地域の競争力を高めていきたい」

 --空白だった沖縄県にも出店する

 「19年の早い段階で出店したい。既に競合他社は計500店程度を出店しており、沖縄らしい商品とオペレーション、立地で対抗していきたい」

 --人手不足は小売りや外食の共通課題だ

 「店が働く人から選ばれる時代になった。同じ地域でも、採用に困っている店とそうでない店がある。困っていない店は働きやすい環境が整っているため、定着率が高い。従業員が辞めても友人や家族を紹介するような『人が人を呼ぶ』店の雰囲気づくりが大切だ」

【プロフィル】古屋一樹

 ふるや・かずき 明治学院大商卒。1982年セブン-イレブン・ジャパン。取締役、常務、取締役専務執行役員などを経て2009年5月副社長。16年5月から現職。東京都出身。