【ハザードマップ】創叡/和歌山共和水産 支払い遅延に社長失踪で信用不安

 

 ▼創叡 創叡は2017年12月13日に大阪地裁から破産開始の決定を受けた。同社はアーニーハウスとして設立。1997年7月に現商号に変更。タレント養成所を主体にテレビ・ラジオ番組の制作なども手掛けていた。99年頃に自社物件を取得し、「創叡タレントスクール」として使用。養成期間中に必ずテレビCMに出演できる仕組みを採用するなどし、約1000人のスクール生を確保。年200本以上のテレビCM・テレビ番組に送り出すなどし、2002年6月期は売上高約4億7000万円を計上した。

 しかし、不動産取得などで借入金への依存度は高く、業績も右肩下がりで推移していた。

 10年には大阪のご当地アイドルグループ「OSAKA BB WAVE」を立ち上げ。自前の常設スタジオでの活動など地元密着度の高い営業展開でメディアからも注目を集めた。しかし、同グループもメンバーの卒業などで維持が困難となり、16年1月に解散を発表。同社も事業継続の見通しが立たず、実質的な事業活動を停止していた。

 ▼和歌山共和水産 和歌山共和水産は2017年12月12日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。鮮魚などの加工販売業者で、大手回転ずしチェーンなどに販路を構築し、養殖活魚を一括納入するなどして業容を拡大。10年には海外事業部を設置してノルウェー産サーモンの輸入を開始した。12年に東京に最新鋭の加工工場を設置。都市圏のスーパーなどへの販路開拓も積極的に展開し、17年5月期には売上高75億7801万円を計上した。

 しかし、積極的な設備投資に伴い資金需要は拡大、さらに業種柄、支払いは回収と比較して短期とならざるを得ず、業容が拡大するにつれて運転資金需要も膨張。一方で、利益の伸びは鈍く、借入金で対応する状況が続いていた。こうしたなかで一部取引先に対する支払いが滞っていることが判明。さらに同時期から社長と連絡が取りづらい状況となり、信用不安が拡大。資金需要がピークを迎える年末を前に事業継続を断念した。

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【会社概要】創叡

 ▽本社=大阪市西区

 ▽設立=1991年7月

 ▽資本金=3000万円

 ▽負債額=約3億円

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【会社概要】和歌山共和水産

 ▽本社=堺市美原区

 ▽設立=2000年10月

 ▽資本金=2000万円

 ▽負債額=24億3174万円(2017年5月期決算時点)

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 〈チェックポイント〉

 創叡は在阪のタレント養成スクールとして知名度があったが、目玉グループの解散とともに事業を停止した。アイドルグループは各地で乱立しているが、競争も厳しく個性や鮮度、運も重要な要素だ。当たればリターンは大きいが、人気商売ゆえの不安定さは否めず、生き残り競争は年々激しさを増している。

 和歌山共和水産は社長失踪という異常事態に陥り、事業継続が難しくなった。売り上げは拡大していたが、利幅は薄く資金需要が増していた。社長失踪の詳細はいまだ不明。少なくとも混乱の中で対応した従業員や関係先に対して、組織のトップとして責任ある行動が求められていることは言うまでもない。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)