モノづくりベンチャー支援拠点 リバネスなど、東京と大阪に新設
起業支援のリバネス(東京都新宿区)は、金属加工業の浜野製作所(同墨田区)やDGTAKANO(大阪府東大阪市)と連携して、成長期のモノづくりベンチャーを支援する拠点を東京と大阪に設ける。第1弾として3月1日に東京都墨田区に開設、大阪にも拠点を設置する。
新拠点は「センターオブガレージ(COG)」で、墨田区の都営地下鉄本所吾妻橋駅近くにある5階建ての倉庫の一部を借り受けた。間仕切りで仕切られたベンチャー向けのオフィススペースを8社分用意するほか、大手企業の新規事業担当者や大学などの研究者が自由に利用できる約80席分の共用オフィス、約100人収容できるセミナースペースを用意する。
浜野製作所は本社近くに、創業初期のモノづくりベンチャー支援拠点「ガレージスミダ」を設置。風力発電ベンチャーのチャレナジーなどが利用している。COGは、ガレージスミダで成長したベンチャー企業の受け皿としての役割を持たせる。
DGTAKANOは、水の使用量を最大95%削減できる節水ノズルを開発したベンチャー。高野雅彰社長は「環境問題のような社会的な課題をヒントに商品を開発するノウハウを、成長期のベンチャー支援に役立てられれば」と話す。
創業初期段階にあるベンチャー支援施設はここ数年で整ってきた一方、従業員10~20人規模で成長途上のベンチャーを支える仕組みは不十分なままだ。特に成長には欠かせない販路開拓の支援が立ち遅れている。そのため、IT(情報技術)やソフトウエアなどのベンチャーと比べて、モノづくりベンチャーの成長には時間がかかり、ベンチャーキャピタル(VC)などの新規投資の足かせになっている。
日本の製造業の技術力は世界的にみても高い。リバネスの丸幸弘社長は「例えば海外のモノづくりベンチャーが日本で試作し、COGで支援することで海外に販路を広げるようなことにも挑戦したい」と話した。
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