【中国GDP】対中消費・金融も商機 強制的規制には警戒

 

 中国の2017年の国内総生産(GDP)が前年比6・9%増と16年の水準を上回る経済成長をみせ、日本企業の中国での投資や事業は拡大を続けそうだ。企業トップからは中国の生産拠点や市場としての価値を重視する声が相次ぐ。しかし中国政府の強権的な規制への警戒もあり、日本政府の対応が求められている。

 ホンダは約30億元(約500億円)を投じ、来年前半の稼働を視野に湖北省武漢市で新工場を建設中。八郷隆弘社長は「中国市場はさらなる発展・成長の可能性がある」と期待を寄せる。三菱電機の柵山正樹社長も「中国も生産性向上が課題で、主力の工場自動化(FA)機器は今後も伸びる」と確信する。

 これまで日本企業は中国を生産拠点として重視してきたが、中間所得層の消費拡大も商機だ。中国で総合スーパーなど79店を展開するイオンは出店投資を先行させてきたが、岡田元也社長は「黒字化が射程に入ってきた」と状況変化を強調する。シリアル食品「フルグラ」の販売拡大を狙うカルビーは2月にネット通販専門の現地法人を設立し、2年以内に中国で売上高200億円を目指す。

 こうした中国事業拡大を資金調達面で支える動きも活発だ。三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行は16日、日本企業としては初の中国本土での人民元建て債券(パンダ債)を発行した。日本企業にとっては、邦銀から人民元を借りやすくなるメリットがある。

 「もはや中国経済なしでは世界や日本の需給は成り立たない」と三菱商事の垣内威彦社長が指摘するように、中国を除外した事業戦略はありえない局面に入りつつある。

 一方、中国政府の政策の動向への警戒感は強い。旭化成の小堀秀毅社長は「政府の環境規制強化で、一部プラントが強制的に操業停止させられ、サプライチェーン(供給網)が寸断し、特定の製品が届かない例も出ている」と不安視する。

 また個人情報や重要データの越境を禁じる「サイバーセキュリティー法」について、経済同友会の小林喜光代表幹事は「中国事業の最もクリティカル(危機的)な問題」と批判。「日本政府が米欧と共闘して、同法をブロックしていくべきだ」と要望している。