住友商事がバングラデシュに日本企業用工業団地 JICAも金融支援

 

 住友商事が南西アジアのバングラデシュの首都ダッカ近郊に日本企業専用の工業団地を建設し、進出支援を検討していることが25日、分かった。今春にも正式に決める。国際協力機構(JICA)も円借款の新方式で金融支援する。経済が安定成長するバングラデシュは空港や鉄道などのインフラ事業がめじろ押し。バングラに進出する日系企業の数が右肩上がりで伸びる中、官民でインフラを整備して企業の安全を確保する。また部品などの裾野産業育成や産業多角化の支援につなげ、存在感を増す中国勢との差別化を図る狙いもある。

 住友商事はダッカ東部約20キロのアライハザールの経済特区開発に参画する。日本企業が同国で工業団地を運営するのは初めてで、他のアジア地域での工業団地運営のノウハウを生かし、進出企業の輸出入手続きの代行や物流も支援する。バングラ政府は税制優遇や治安面を支援する。総事業費は数百億円規模になるとみられる。

 JICAは、住友商事とバングラ政府が設立予定の特別目的会社のバングラ政府出資分に対して円借款を供与。経済特区周辺のアクセス道路や発電所整備も進める。さらにバングラデシュ銀行を通じて工業団地の入居企業向けに融資する金融支援も検討している。

 日本の商社では双日も今春にダッカに駐在員事務所を再開、日本企業のインフラ受注を後押しする考えだ。

 年率6~7%と安定した経済成長が10年以上続くバングラは1億6千万の人口があり、豊富な労働力と消費市場が魅力だ。ホンダは二輪車販売が好調で、昨年11月に現地子会社を通じ二輪車の組み立て新工場を着工した。同国への進出企業はすでに250社を超えている。2016年のダッカでのテロ事件以降も増えており、「消費市場をにらんだ製造業の進出相談件数も昨夏以降急増している」(日本貿易振興機構)という。

 バングラは比較的賃金が安い親日国で、日本製品への信頼も高いだけに進出日系メーカーの多くが増産を計画するが、工業団地不足と治安面での不安がネックだった。日本企業専用の工業団地は用地確保と安全面の両面での支援につながる形だ。また日本政府は中国の影響力への警戒や今後の商機もにらみ、政府開発援助(ODA)を増額し、ダッカ空港の拡張や都市鉄道などのインフラ整備を進めている。