「aiwa」ブランド復活期す 10年ぶりにラジカセ・TV発売 海外も視野

 
復活させたアイワブランドの液晶テレビやレコードプレーヤーなどをアピールする三井知則社長=東京都品川区

 かつて世界の音楽好きの若者たちを熱狂させたオーディオ機器ブランド「aiwa(アイワ)」が約10年ぶりに復活し、ラジオ付きカセットレコーダー(ラジカセ)などが家電量販店に並び始めた。新会社のアイワ(東京)が、ソニーから商標使用権を取得して2月で丸1年。高い知名度と手頃な価格を武器にアイワブランドの完全復活を期す。

 1951年設立の旧アイワは日本で初めてラジカセを発売。80年に売り出したヘッドホンステレオ「カセットボーイ」が大ヒットし、AV機器では屈指のブランド力を誇った。だが、バブル崩壊後はデジタル化に乗り遅れ、業績が急速に悪化。2002年にはソニーに吸収合併されて会社が消滅、08年にはソニーブランドとのすみ分けが難しくなったとして、ブランドまで消えた。

 その休眠状態となったアイワブランドに着目したのが秋田県の十和田オーディオだ。

 もともとソニーの小型ラジオの生産を一手に引き受けていた電子機器の受託製造サービス(EMS)で、好調時には中国広東省の工場で約7000人の従業員が働いていた。

 ところが、不振に陥ったソニーからの受注が激減したため、十和田オーディオは生き残りをかけて自社ブランドを持ちたいと考えた。知名度が高いのに塩漬けにされていたアイワのブランドをソニーから譲り受け、昨年4月に新会社のアイワを設立した。

 旧アイワ出身で音質に詳しいベテラン技術者も在籍するが、社員は10人足らずのため、アイワは主に製品企画を担い、製造は十和田オーディオの工場と中国のEMSへ委託。販売も代理店に託す体制だ。

 昨年12月、昔のアイワらしさを連想させる昭和レトロ感のあるCDラジカセなどを発売したのを皮切りに、今年1月には32~55型の4K液晶テレビ4機種を投入。2月にレコードプレーヤー、3月にはインターネット経由で音楽を再生する「ネットストリーミングスピーカー」を売り出す予定で、アイワブランドの完全復活をもくろむ。

 国内のAV機器市場ではトップブランドの高価格帯と無名ブランドの低価格帯の二極化が進んでいるが、アイワの三井知則社長は「手頃な価格と妥協しない性能で中価格帯を狙う」と説明する。

 かつてアイワブランドのシェアが高かったアジアや中東など海外にも打って出る。三井社長は「将来は空気清浄機など白物家電も手がけ、20年度に売上高200億円を目指す」と意気込む。(柳原一哉)