世界の自動車販売、中国が主戦場に モーター、制御技術…“攻略のカギ”は環境規制

 
ホンダの中国合弁会社、東風本田の工場(AP)

 世界の自動車販売を中国市場が牽引(けんいん)する構図が、これまで以上に鮮明になっている。ホンダが2日に発表した2017年の中国での販売台数は前年比16%増の145万8000台で、同社として過去最高を更新した。日本勢が“主戦場”としてきた米国で乗用車市場が頭打ちになる中、相対的に中国の存在感が高まっている。各社が中国市場で勢いを維持するには、電気自動車(EV)の投入など環境規制への対応が課題となる。

 専用モデルなど投入

 ホンダの倉石誠司副社長は中国市場での販売好調について、「中国専用モデルなど、現地のお客さまのニーズに合った商品を投入してきた。人気となっているスポーツ用多目的車(SUV)などで強いモデルを持っていることも要因だ」と説明した。164万1000台の米国と差は縮まっており、倉石氏は「市場動向からみると、近いうちに抜かなければならないと思っている」と話した。1982年に日本の自動車メーカーとして初めて現地生産を始めて以来、米国を最大市場としてきたホンダにとっての転機だ。

 三菱自動車はSUV「アウトランダー」の現地生産を始めた影響で17年の中国での販売台数が6割近く増え、初めて最大の市場となった。マツダも中国専用モデルのSUV「CX-4」が好調で、米国での不振もあり、7年ぶりに中国での販売が最大となった。中韓関係悪化により、中国で韓国の現代自動車が失速し、日本メーカーが“漁夫の利”を得た側面もある。

 米国ではSUVのほかピックアップトラックが支持され、セダンタイプの乗用車は苦戦。競争激化による販売奨励金の積み増しなどで、収益性も悪化している。

 日産自動車や三菱自は、中国で順調に販売を伸ばしたことで、17年の仏ルノーを含めた企業連合の世界販売台数でトヨタ自動車を抜いて2位になった。世界首位の独フォルクスワーゲンは中国でもトップシェアで、「中国を制する者が世界を制する」という状況だ。

 環境規制対応が焦点

 今後は、中国政府の環境規制への対応が焦点だ。19年には自動車メーカーに対し、EVなどの新エネルギー車を一定割合製造・販売することを義務づける方針だ。ホンダの倉石氏は2日、「電動化は中国が世界を主導するので、いろんな準備をしなければならない。モーターや制御技術などの強みを生かしていく」と強調した。

 今期最終益1兆円

 ホンダは2日、18年3月期の連結業績予想を上方修正し、最終利益が従来予想より4150億円多い1兆円(前期比62.2%増)になると発表した。トランプ米政権の税制改革による法人税減税の恩恵などを受けた。最終益1兆円が実現すれば、国内事業会社ではトヨタ、ソフトバンクグループに続き3社目となる。

 ■2017年の中国での自動車販売台数

 日産  152( 12)

 ホンダ 146( 16)

 トヨタ 129(  6)

 マツダ  31(  8)

 三菱自  13( 56)

 スズキ  11(▲32)

 スバル   3(▲34)

 ※単位:万台。カッコ内は前年比増減率%、▲はマイナス