サムスン、家電にも音声AI 先行の米国勢はLG製品から恩恵

提供:ブルームバーグ
昨年3月、韓国サムスン電子はニューヨークで開催したイベントでスマートホームを披露した(ブルームバーグ)

 音声アシスタントの世界市場での追い上げを目指し、韓国サムスン電子はスマートフォンのほか、スマートホームデバイスにも「Bixby(ビックスビー)」を搭載した。一方で、音声アシストでトップを走るアマゾン・コムと、同社を急速に追い上げるグーグルの米国勢は、韓国LG電子の新たなプレミアム家電から恩恵を受けるだろう。

 サムスン電子は自社の強力な家電製品ポートフォリオを活用し、機械学習により、ビックスビーの向上を図るだろう。韓国テクノロジー大手の同社は、スマホのみならず、テレビや冷蔵庫などの家電製品にまでAI(人工知能)技術拡大を目指すとしている。データ収集に関する知見が不足しているため、ユーザーインターフェースに重点を置くことでグーグルの「アシスタント」やアマゾンの「アレクサ」と差別化するとみられる。サムスンは、ハーマンインターナショナルの車載用インフォテインメント・システムへの搭載を推し進める可能性が高い。

 ビックスビーは2017年5月にスマホの「ギャラクシーS8」向けに初めて搭載され、その2カ月後に英語版が発売された。

 LG電子は17年以降、自社のスマートホーム・システムにアマゾンのアレクサやグーグルのアシスタントを搭載している。そのため、LG電子がスマート家電への注力を強めれば、アマゾンとグーグルが恩恵を受けるだろう。

 最大のライバルであるサムスン電子と異なり、LG電子のスマホ・ポートフォリオの規模は小さい。そのため音声認識機能の向上に当たっては、機械学習による自社開発ではなく、パートナー企業に頼る公算が大きい。LG電子のプレミアムテレビや家電製品の利益率は相対的に高く、サムスン電子を上回っている。

 サムスン電子のマイクロLEDパネルは、ピクセルレベルの発光など、LGディスプレーのOLED(有機EL)パネル技術に対抗し得る機能を持つ。また液晶パネルでは生産効率のためサイズが限定されるのに対し、モジュラー構造のこれらのパネルは、どのような製品サイズにも対応できる。

 LGディスプレーは最近、88型8K有機ELパネルを発表した。サムスンはこれに対抗し、今後パネルの解像度を上げていく必要があるだろう。(ブルームバーグ Anthea Lai、Jitendra Waral)