漁業資源、乱獲で減少深刻 サケやサンマ歴史的不漁

 
水揚げされたサンマ=2017年10月、福島県いわき市の小名浜港

 サケやサンマ、スルメイカなどが深刻な不漁を記録、ニホンウナギの稚魚のシラスウナギの漁獲量も極度に少ない。乱獲が原因で起こる漁業資源の減少は地球規模で深刻化しており、地球温暖化など海の環境変化の影響も指摘されている。このままでは食べられる魚が海からいなくなるとの声まで聞こえてくる。

 ◆過去半世紀で最低

 「秋サケやスルメイカが歴史的な不漁だ」「サンマの漁獲量は過去半世紀で最低レベル」-。昨年は、日本の漁業をめぐる深刻なニュースが相次いだ。今年に入ってからは養殖ウナギの種苗となるニホンウナギの稚魚シラスウナギの漁獲が、前漁期の1%程度に落ち込んでいることが大きな問題になっている。北海道によると、昨年12月末までの秋サケの漁獲量は約1573万匹で、不漁といわれた2016年のほぼ3分の2にとどまる。年末には卵のイクラの高騰が話題になった。

 昨年はサンマ漁も低調で、全国さんま棒受網漁業協同組合によると、全国の水揚げ量は前年比30%減の7万7169トン。約5万2000トンだった1969年以来ほぼ半世紀ぶりの低水準だった。

 スルメイカの漁獲量も、6万トンを切って過去11年間で最低だった16年漁期からさらに少なくなる見通しだ。

 このほかでも日本周辺の魚では資源の減少が目立つ。水産庁が1月末に発表した主要50魚種を分布域ごとに84の群れ(系群)に分けて行った資源評価では、46%に当たる39系群の資源量が「低位」とされ、高位とされたのは14系群にとどまった。

 資源が低位な上に、さらに減少傾向にあるとされた深刻なものが21系群もあり、キンメダイや太平洋のマアジ、ホッケ、イカナゴ、スケトウダラの一部など、日本人にとって身近な魚が多く含まれる。

 瀬戸内海から日本海、東シナ海などに広く分布するトラフグの漁獲量は02年漁期の356トンから16年には189トンにまで減少したが、資源保護のためには漁獲量をさらに減らす必要があるとされた。

 厳しい漁獲規制の結果、資源量が増加したとされる秋田県の県魚、ハタハタも今年の漁期は過去20年で最低レベルの不漁に終わった。

 日本周辺の魚以外でも太平洋クロマグロや中西部太平洋のメバチマグロ、ベーリング海のスケトウダラなどの資源レベルが低位だとされ、国際的な資源保護の議論が進んでいる。

 ◆「日本の管理不十分」

 自然の変動に加え、過剰な漁獲、つまり魚の取り過ぎが資源減少の大きな原因とされることが多い。漁獲量を適正なレベルに保つ漁業規制が重要とされ、欧米では規制の結果、資源量が上昇に転じた例もある。

 水産庁は、サンマ、スケトウダラ、マアジなど主要な7魚種について、漁獲可能量(TAC)を設定し、資源管理を進めている。だが、欧米に比べて対象種が少ないことやスルメイカのように毎年の漁獲量をTACが大きく上回る状況が続いていることなどから「日本の漁業資源管理は不十分だ」とする専門家は少なくない。