製紙各社、生産体制の抜本的な見直しへ デジタル化の進展で需要低迷、相次ぎ生産縮小

 
日本製紙が塗工紙の生産設備を停止する石巻工場=宮城県石巻市

 デジタル化の進展で紙の需要が減少する中、製紙各社が生産縮小に乗り出している。日本製紙と中越パルプ工業は今年、一部生産設備を停止する。減少傾向は今年も続く見通しで、生産体制の抜本的な見直しが避けられなくなりつつある。

 日本製紙はチラシなどに使われる塗工紙について、表面をコーティングする設備を5月末に秋田工場(秋田市)と石巻工場(宮城県石巻市)で各1機停止し、年間生産能力を計24万トン減らす。1月下旬には、岩手県一関市に本社を置く子会社で、段ボール原紙や新聞用紙を生産する北上製紙が7月末に全事業を停止することも決めた。

 中越パルプは富山県高岡市の二塚製造部で、新聞用紙などを生産する抄紙機を3月末に1台停止する。

 停止する設備の1日の生産能力は190トンで、今後は440トンとさらに規模が大きいもう1台の設備に生産を集約する。同社が抄紙機を停止するのは7年ぶりという。

 日本製紙連合会によると、2018年の輸入を含む紙の国内需要は1438万5000トンと、12年連続で前年を割り込む見通し。新聞や雑誌をスマートフォンで読む人が増加しているほか、企業が紙の使用を減らしていることも、逆風となっている。

 各社はこれまで、需要が比較的堅調な段ボールやティッシュなどの家庭紙で、洋紙の落ち込みをカバーしてきた。しかし最近は、段ボールでも中国の輸入拡大で原料の古紙価格が高止まりするなど、収益がさらに圧迫されている。このため各社は鉄の5倍の強さと軽さを併せ持つ新素材「セルロースナノファイバー」に力を入れるなど、「脱・製紙依存」の動きも強めている。