NTT東、平昌でノウハウ学ぶ 東京五輪に向け技術者派遣

 
リオデジャネイロ五輪会場の通信オペレーションルームで現地の通信会社社員と打ち合わせするNTT東日本の社員(左)=2016年8月(NTT東日本提供)

 NTT東日本が9日開幕する平昌五輪に技術者らを派遣している。同社は、NTTグループの中核企業として2020年東京五輪・パラリンピックのゴールドパートナーとなっており、平昌で通信サービスを提供する韓国通信大手KTから五輪でのノウハウを学ぶためだ。さらに、昨年から五輪での通信トラブルなどを想定し、社員が世界各国の参加者と対話できるよう英会話を猛特訓中。2年後の“本番”に備えて着々と準備を進めている。

 「通信は開通すれば終わりでなく、映像伝達などもある。それらがきちんとできるようサービスを提供するのが責務だ」

 東京大会には選手1万5000人、記者・カメラマン2万人が世界中から集うとされる。NTT東の東京オリンピック・パラリンピック推進室の武藤健司総合調整担当部長がこう語るように、同社は、各国への映像配信や各会場で計測されたデータ集約などを目的とした通信サービスを担う。

 五輪には「ナレッジトランスファー」(知識移転)と呼ばれる、前大会の運営側が次大会にノウハウを継承する仕組みがある。NTTグループでは16年リオデジャネイロ大会に続き、平昌五輪へ1月初旬からグループ社員計16人を派遣。KTの社員らによる準備状況や工程管理などの様子を現地で学び、帰国後は東京大会に向けたノウハウ集を作成。本番では現場マネジメントに就く予定だ。

 リオで学んだのは、準備万端でも、突然の「変更」が起こるという点だ。放送事業者から急遽(きゅうきょ)、会場外から映像を撮影したいと求められて予定にないケーブルを敷設したり、試合結果によって仕様変更を求められたりと、急な依頼が次々と寄せられた。こうした経験を生かし、東京では“ハプニング”に備えて人員配置などを工夫するという。

 このほか、ぎりぎりまで他のイベントに使われ、工期に余裕のない五輪会場が出ることも予想される。東京オリンピック・パラリンピック推進室の安田真通ネットワークテクノロジ担当部長は「慣れている工事だが、早く正確にというスキルが必要になる。事前準備が非常に重要」と話した。

 また、NTT東の社員らは昨夏から、東京大会を見据えた特別英会話レッスンにも参加。会場内外でインターネット接続がうまくいかないなどのトラブル対応に当たることを想定して開発した独自教材を使い、大会まで最終的には計約1200人が受講する予定だ。(西岡瑞穂)