「通期見通しの評価は『バツ』」 トヨタ、手放しで喜べない過去最高 次世代車開発に課題

 

 2018年3月期の連結最終利益予想を上方修正し、過去最高を見込むトヨタ自動車だが、米国の法人税減税と円安の影響が大きく、手放しで喜べる状況ではない。得意の北米では競争環境の悪化で減益となり、17年の中国での販売台数は日産自動車やホンダに及ばなかった。経営陣は本業を強化しながら、電気自動車(EV)などの次世代環境車への開発も進めるという難しいかじ取りを迫られている。

 「通期見通しの評価は『バツ』だ」。6日に東京都内で記者会見した小林耕士副社長は、売上高も過去最高を見込む通期予想に表情が晴れない。本業のもうけを表す営業利益は、為替などの影響を除いてみると、前期に比べ550億円の減益となる見通しだからだ。

 17年4~12月期で営業利益を2950億円押し上げた“主因”は為替だ。トヨタは通期の想定為替レートを1ドル=111円に設定。先月25日には一時的とはいえ、1ドル=108円台まで円高ドル安が進んでおり、先行きは不透明感が漂う。世界的な株安が続けば資産効果が逆回転し、新車の買い控えにつながる懸念もある。

 地域別にみると、北米が気がかりだ。売れ筋の車種が、トヨタの得意とするセダンからスポーツ用多目的車(SUV)など大型車にシフト。昨年夏に主力セダン「カムリ」を全面改良するなどテコ入れを図ったが、同地域での昨年4~12月の販売台数は前年同期から1万3000台減った。

 販売店に支払う値下げ減資となるインセンティブ(販売奨励金)が増加して収益性も悪化し、同地域の営業利益は半分以下に減った。

 昨年12月に電動化を積極的に進める方針を示したトヨタ。将来への“種まき”と足元の好業績持続を両立していけるかが問われている。(臼井慎太郎)