トヨタ「労使懇談会」全容判明 本業の減益リスク、共に強く共有

 

 トヨタ自動車の労使が、業績予想を引き上げる過程でも、本業の減益リスクを強く共有していたことが7日、明らかになった。2017年11月に開かれた経営課題を協議する「労使懇談会」の全容が判明し分かった。トヨタ労組は18年春闘の要求書を14日に経営側へ提出するが、難しい交渉となりそうだ。

 トヨタは6日、18年3月期連結業績予想の最終利益を前期比31.1%増の2兆4000億円とし、過去最高を更新すると発表した。上方修正は今期3回目だ。懇談会は秋と春の年2回程度開かれる。

 懇談会では、経営側が減益基調の懸念を示し「財務基盤の強化が急務」と組合に訴えた。17年に全面改良した主力車「カムリ」は米国での生産に苦戦したとし、現地工場のレベル引き上げが課題とも指摘した。豊田章男社長は冒頭で、電気自動車(EV)や自動運転の普及を念頭に「産業の大転換期にあり、目の前は超えるべき苦難の連続だ」と危機感を強調した。

 18年3月期は本業のもうけを示す営業利益が円安効果を除くと550億円の減益になる見通しだ。懇談会で経営側は、米国や中国市場の減速などで販売台数や売上高が横ばいとなる一方、EVや自動運転などの先行投資、値引き原資となる販売奨励金などがかさみ、利益が出にくい構造に陥る可能性を強調した。

 労使は既存案件を止めて新規投資の原資を捻出するなど固定費を増やさない取り組みが必要という認識で一致した。

 カムリは米ケンタッキー工場で生産を始めた17年、稼働率や品質が低迷したため、日本から人材を派遣して支援した。トヨタは他社に比べ、新型車を世界の工場で生産する際、時間や投資額が過大になる傾向があるとして、労使で改善を進めるとした。経営側には厳しい認識を示し、社内を引き締める狙いもある。

 6日の決算会見では製造現場出身の河合満副社長が同席し「トヨタ生産方式」などものづくりの考え方を説明する異例の場面があった。