ホテル各社が狙う「ブリージャー客」って? 新たな訪日スタイル、“上客”対応が本格化

 
15日に開業する東急ステイ高輪(泉岳寺駅前)の「レジデンシャルダブル」。ミニキッチン付きで中長期滞在も安心=東京都港区

 東急不動産グループの東急ステイは7日、東京・JR品川新駅(仮称、2020年利用開始予定)近くに開業する滞在型ホテル「東急ステイ高輪(泉岳寺駅前)」を報道陣に公開した。オフィス街や官公庁、観光施設の結節点に位置するホテル周辺は、ビジネス出張で観光も楽しむ「ブリージャー」の訪日外国人客に人気の滞在地。ホテル各社もブリージャーを新たな訪日スタイルとして着目、取り込みに向けた動きを加速させる。

 利便性の高さ強調

 羽田空港や品川に直通する京急本線泉岳寺駅から徒歩1分。地上10階建ての新ホテルは一般のビジネスホテルより広い室内に、ベッドやデスクがゆったりと配置されていた。ドア付近は洗濯乾燥機と電子レンジ。「滞在が延びても安心」。東急ステイの担当者は利便性の高さを強調する。

 15日開業の同ホテルは空間的な余裕に加え、一部客室にミニキッチンも備え、自宅のような使い方が可能。1階カフェは宿泊者がラウンジとして利用できる。品川新駅が徒歩数分のところに開業予定の中、「ビジネスと観光、どちらにも対応できるハイブリッド性が売り」(担当者)という。

 ブリージャーは「ビジネス」と「レジャー」をかけた造語。出張の滞在期間を自己負担で延ばし、観光も楽しむスタイルのことで、欧米客の旅行形態の一つとして広がる。ビジネス目的のため自己負担額は少ないが、1泊当たりの単価は高く、滞在期間も長い傾向がある。

 こうした“上客”の存在は数年前から業界内でささやかれていたが、日本が観光地としても再認識されつつあることからホテル各社は受け入れ態勢の整備を本格化し始めた。

 ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区)が順次進める改装のコンセプトも「ブリージャー対応」。29~31階の「クラブフロア」客室はデスクを壁向きではなく、公園や東京タワーを望む窓側に設置。ロビーも書斎を思わせるような雰囲気があり、全体的にビジネス仕様ながら、くつろげる空間を演出した。

 多様な宿泊プラン

 プリンスホテルの武井久昌専務執行役員は「このまれな立地をどう生かせるか心を砕いた」と出来映えに胸を張る。

 京浜急行電鉄はビジネスホテルの京急EXイン高輪(同)を4月に滞在型ホテルへとリニューアルする。連泊需要に対応するためツインルームの浴室をユニットバスから分離型に改装、朝食場所をホテル内も含めて5店舗(予定)から選べる宿泊プランを用意した。

 担当者は「多様なニーズに対し、最適な環境を整えたい」と話している。