関電、32年に持ち株会社 「発送電分離」に合わせ移行、より“筋肉質”の体制へ

 
関電、持ち株会社へ移行

 関西電力が平成32年4月に事業持ち株会社に移行する方針を固めたことが8日、明らかになった。政府が決めた発電と送配電部門を切り離す「発送電分離」の開始時期にあわせる。その前に今年6月に関電の支社や営業所を抜本的に再編する。さらに電力の卸売り事業を担う部門を一本化し、業務の重複を解消する。発送電分離を節目に効率的な組織に見直して競争力を強化する狙い。

 新しく作る持ち株会社は発電や販売などの業務を担う一方、傘下に分社化する送配電会社を置く。

 子会社の株式を保有しグループを統括する一般的な「純粋持ち株会社」とは異なり、関電は「事業持ち株会社」にすることで、経営の基軸となる電力事業を直接コントロールする体制を維持する。

 今年6月には現在、お客さま本部・営業部が束ねている35カ所の営業所は廃止。そのうえで、より細かなサービスができるように23カ所の簡易拠点を置く。

 卸売り電力事業では、2つの部門に分かれていた電力取引機能をまとめて「電力需給・取引推進室」を新設する。顧客サービスにつながる情報を共有しやすくして、新規参入が相次いだ新電力向けのビジネスを拡充する。

 関電は送配電会社の分社化を控えて、今年6月に送配電事業を行う電力流通事業本部を本体から切り出して、「送配電カンパニー」として部門を独立させる。

 かじ取り誤れば逆風 営業力高めるためにも効率的組織運営が不可欠

 関電は発送電分離にあわせた平成32年4月の事業持ち株会社化を契機として、より筋肉質の体制に切り替える。28年4月の電力小売り自由化に伴う新電力などとの競争で、顧客の流出が続いている関電。改革案は営業力の強化と組織のスリム化を前面に打ち出す内容となっている。

 関電が直面する課題は販売電力量の減少だ。1月31日に発表された昨年4~12月の販売電力量は837億キロワット時で、前年同期比で6.5%の減。内訳は法人向けは6.8%減の551億キロワット時、家庭向けなどは285億キロワット時で5.9%減となった。

 発送電分離は、電力事業に参入する事業者が大手電力と同じ条件で送配電網を利用できるようにして競争を促すのが目的だ。大手電力会社に発電と送配電部門を分離するよう求めており、かじ取りを誤れば関電は逆風を受けかねない。営業力を高めるためにも、効率的な組織運営が不可欠となっている。

 改革案では、現行の「お客さま本部」という名称は「営業本部」に改称。官公庁や企業など法人を相手にした「ビジネス営業部門」は「法人営業部門」に変え、BtoB(企業間取引)を担う位置付けを明確にする。

 一方で、現在ある10支社のうち、大阪北支社と大阪南支社、神戸支社と姫路支社をそれぞれ統合。8支社に再編する。これにより「1府県で1支社」の体制にする。支社を大口顧客となる自治体の対応窓口としても機能させ、関電が提供するサービスの浸透をはかる。関電は31年6月の株主総会で、発送電分離に向けた正式な体制を決定したい考えだ。