【遊技産業の視点 Weekly View】

 
ワールド・ワイズ・ジャパン代表LOGOSプロジェクト主幹濱口理佳

 □ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹 濱口理佳

 ■この先の「持続可能な産業像」を描くため

 2月1日に改正規則が施行された。遊技への依存対策の一環として行われたものだが、これにより遊技機市場は新たなステージへとシフトしていく。射幸性の抑制が依存対策に寄与するのか、その根拠(研究調査の結果等)が明確に示されないまま施行されたわけだが、これに伴い遊技機の入替等、パチンコホールの負担は大きく、中小零細ホールの中には「廃業」を余儀なくされるところもあると聞く。

 また、遊技機メーカーも新規則下での開発に試行錯誤を繰り返し、新たな魅力を持つ遊技機の登場に向け、多額な開発費用と労力を注入せざるを得ない。さまざまな職域における経済的負担のもと、業界は今年も依存対策を優先させつつ、大衆娯楽の担い手としてふさわしい産業像を模索することになる。

 現在、遊技産業の社会に向けた取り組みでは、遊技への過度な依存を防止するための対応ばかりがクローズアップされているが、産業のサスティナブルな成長を実現するためには、いま、そこにある社会課題解決への寄与が不可欠だ。これまでにも遊技業界は、社会福祉や地域社会への貢献活動をはじめ、スポーツや文化振興、被災地支援、環境保全活動、遊技における認知症予防効果の研究、返還の必要がない奨学金の支給など、時代・ニーズに呼応する形で多種多様に社会活動に取り組んできた。また、パチンコホールという業態の特性を生かしたものでは、その立地の良さや営業時間の長さから、店舗へのAED設置と救命講習を受けたスタッフの配置や、災害時に駐車場を開放し食料品や備蓄資材を支援物資として提供する協定を市町村との間で締結するなど、地域のインフラとして機能することを目指す試みも目立つ。

 すでに遊技業界ではCSR(企業の社会的責任)やCSV(共有価値の創造)という概念も広く定着し、社会に必要とされる産業・企業としての存在意義の強化が図られつつある。業態を踏まえれば依存対策も重要かもしれないが、ここから先は決して近視眼に陥ることなく、産業が持つポテンシャルの高さをフルに生かした実効性のある社会活動の推進が望まれる。

                   ◇

【プロフィル】濱口理佳

 はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。