章男社長も期待 トヨタ生え抜き初の女性役員・加古さん レクサスで「生活に良い変化起こす」
トヨタ自動車の常務役員に1月1日付で就任した加古慈(ちか)氏(50)がフジサンケイビジネスアイなどの取材に応じた。生え抜きの女性社員で初めて同社の役員に就いた加古氏は「責任やプレッシャーを感じるが、萎縮してしまっては選んでもらった意味がない」と強調した。
高級車ブランド「レクサス」の車両開発を担当。小型ハイブリッド車「CT200h」の一部改良では、女性初の開発責任者も務めた。「レクサスとの出合いにより、お客さまの生活に良い変化を起こしたい」と抱負。最も思い入れがある開発車両は「将来発売される、今担当している車。まだ詳しくはお話しできませんが…」とほほえむ。
男女雇用機会均等法施行から3年後の1989年、トヨタの女性総合職1期生として入社。大学では塗料などに関連する界面化学を学び、好きな実験や基礎研究を続けたいと考え、トヨタを就職先に選んだ。
素材開発などを担当していたが、2002年に転機が訪れる。海外出張を契機に希望した欧州の研究開発拠点への転勤が実現したのだ。ここで、車の内装の商品力を向上させるという“特命”が下った。「トヨタが得意とする『数値化』にこだわると、お客さまが何を感じているか見過ごしてしまうこともある」という思いから、欧州の顧客の「感性」に着目して調査。その結果に基づき、現地の消費者に好まれる素材や仕様を提案したことが高く評価され車両開発を任された。
役員就任にあたり、豊田章男社長には「大勢の男性の中で大変だけどがんばって。期待しているよ」と声をかけられたという。トヨタは14年に、当時約100人だった女性管理職の数を20年に3倍に引き上げる目標を掲げている。
「子育て支援などの環境がまだ整っていなかった時代からたくましく仕事をこなした先輩たちが、女性にもポジションが与えられるきっかけをつくってくれた」と強調。働く女性たちには「おおらかに、いろんなチャレンジをしてほしい」とエールを送る。
趣味は茶道とトレッキング(山歩き)。座右の銘の「雲外蒼天」は、困難を乗り越えると快い青空が広がるという意味だ。(高橋寛次)
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【プロフィル】加古慈
かこ・ちか 奈良女子大家政学部卒、1989年トヨタ自動車入社。トヨタモーターヨーロッパ出向などを経て2012年、レクサス「CT」のチーフエンジニア。18年1月から常務役員とレクサスインターナショナルのエグゼクティブ・バイス・プレジデントを兼務。愛知県出身。