スマホ市場「頭打ち」の中、日本に殴り込み 中国OPPOの成算は?
情報ツールとして大半の人が手にするスマートフォンの世界出荷台数が初めて減少に転じ、曲がり角を迎えた。国内市場では「らくらくホン」で知られる富士通が携帯電話事業の売却を発表。一方、スマホ世界シェア4位の中国「OPPO(オッポ)」が日本市場参入を果たした。変革期にある一連の動きを追った。
1月31日、東京都渋谷区の表参道ヒルズで開かれたオッポの記者発表会。登壇したオッポジャパンの●(=登におおざと)宇辰(トウ・ウシン)社長はスライドで自社のスマホ「RS11s」を紹介し、同機を手にしてほほえんだ。
オッポは中国市場シェア首位に君臨。2004年の会社設立以降、市街地での看板など派手な広告戦略が奏功し、華為技術(ファーウェイ)や小米(シャオミ)、vivo(ビボ)といった強豪を追い抜き、巨大市場の中国でナンバーワンに躍り出た。
世界市場でもシェア首位の韓国サムスン、2位の米アップル、3位ファーウェイに次いで4位だ。既に世界30カ国に進出し、満を持しての日本参入とあれば注目せざるを得ないだろう。
オッポは「カメラフォン」と呼ぶコンセプトを掲げ、背面に画素数の異なるカメラを2つ搭載。部屋の明るさや昼夜など環境に応じてベストショットが撮影ができるよう自動的にカメラが切り替わる。写真共有アプリのインスタグラムや会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックなどの普及で、利用者はスマホによる写真撮影の機会が急増。オッポはその需要を取り込み、若者を中心に急速にユーザーをつかんだ。
5分の充電で2時間の通話が可能となる急速充電機能やファッション性を高めたデザインも人気の理由で、●(=登におおざと)社長は「長い時間をかけてアピールポイントを研究してきた」と胸を張る。
米調査会社IDCの調べでは、オッポの昨年1年間の出荷台数は世界で約1億1180万台。シンガポールなどアジア市場開拓で奮闘した経験もある●(=登におおざと)社長の自信を裏付ける数字といえるだろう。
しかし、こと日本市場でどれだけ顧客を獲得できるかは未知数だ。
スマホ業界に詳しい青森公立大の木暮祐一准教授は「知名度が低いオッポが日本のユーザーに受け入れられるかはこれからだ」と分析する。
ブランド信仰が強い日本では米アップルのiPhone(アイフォーン)のシェア首位が続く。日本で無名に近い存在のオッポが浸透するには相当な時間が必要とみられている。
●(=登におおざと)社長もその点を認め、報道各社のインタビューで、「日本市場はブランドへのロイヤルティー(忠誠心)が高く、(日本進出は)ハードルが高いと感じる」と話した。
●(=登におおざと)社長はシェアや販売台数などの具体的な数値目標に触れておらず、日本進出の意義についても「日本で成功すれば欧米進出の大事な一歩となる」と述べるにとどめた。
ただ、「NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクグループの3大携帯電話事業者の中には、既に商談に入っているところもある」と●(=登におおざと)社長は明らかにした。
通信会社を自由に選べるSIM(シム)フリー端末に長らく力を入れてきたファーウェイは1月、KDDIから端末を初めて出した。
オッポもSIMフリー端末から出発し、同じ中国勢としてファーウェイの路線を追随する形になる。キャリアからの発売の時期こそ明言しなかったが、勝機をそこに見いだしているようにも見える。
木暮氏も「(シェアのためにはまとまった数量を調達する)キャリアと組めるか否かがポイントだ」と指摘する。その際の武器は、高性能の割には手頃とされる価格(コストパフォーマンス)となりそうだ。
米IDCによると、17年のスマホの世界出荷台数は前年比0.1%減の14億7240万台。富士通が事実上の撤退を決断する中、「市場の成長はもう頭打ち」(業界関係者)との懸念が強まる。
果たしてオッポの新たな挑戦は吉と出るか凶と出るか-。(経済本部 柳原一哉)
OPPO(オッポ) 2004年に設立された中国・広東省に本社を置く電機メーカー。最高経営責任者(CEO)は陳明永(トニー・チェン)氏。08年、携帯電話事業に参入し翌09年にタイ進出。「カメラフォン」と呼ぶ高性能カメラ搭載スマホが人気でアジア欧州など世界30カ国で事業を展開する。AV部門であるOPPO Digital(オッポデジタル)がDVDプレーヤーなどを扱う。
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