投資用不動産で5年間の“安心”を保証 イチワプロパティ・城谷祐補社長
毎月安定した家賃収入が得られることから、人気が高まっている投資用マンション。ただ、オーナーにとって空室や原状回復コストなどは悩みの種だ。中古マンションの売買を手掛けるイチワプロパティが2015年から始めた、5年間にわたり家賃(一律)と原状回復費用を保証するアフターフォローはこうした悩みを解消し、投資用マンションをより身近なものにした。城谷祐補社長に狙いと今後の展望を聞いた。
--アフターフォローの手応えは
「新築マンションに同様の保証サービスを付けているところはあるが、中古マンションでは例がなかった。当社が取り扱うのは築20年前後のワンルームマンションが多く、家賃は新築時に比べると安くなっているがどうしても給湯器やエアコン、壁紙などの取り換え、修繕が出てくる。5年間保証を取り入れたことで、こうしたリスクが低減でき、投資家の見方が変わった。おかげさまで導入以来、売り上げは年率50%のベースで伸びている」
--サービスを導入した分、コスト高になるが、対応は
「情報のアンテナを広げて、競争力のある中古マンションを適正価格で仕入れることはもちろんだが、原状回復も外部委託ではなく、職人を内製化して対応している。こうした細々としたコスト削減を積み重ねてアフターフォローを実現している。相場観を守って適正な物件を適正な価格で販売する、という創業以来のポリシーにのっとった戦略だ」
--物件の立地は一都三県だが、拡大する考えは
「2027年のリニア新幹線開業もあって、名古屋、大阪でも投資用の中古マンションの需要が今後増してくるとみている。年内にもこうした地域でのトライを始めようと考えている」
--新規顧客の開拓も課題だ
「当社の中古マンションの価格はだいたい500万~1500万円。顧客は年収400万~500万円のサラリーマンや中小企業のオーナーなどが多く、顧客獲得競争が激しくなっている。次の一手として中国、台湾、ベトナムなどアジアで顧客開拓を始めることにした。3月に中国・青島で現地のユーザーに対する説明会を開催する。アジアの国々は、取得水準が上がってきており、日本のマンション物件に対しても関心がある。将来にわたって伸ばしていけたらと考えている」
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【プロフィル】城谷祐補
しろたに・ゆうすけ 日大法卒。不動産会社を経て2012年1月にイチワプロパティを設立し、現職。36歳。佐賀県出身。
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【会社概要】イチワプロパティ
▽本社=東京都千代田区神田佐久間町2-3 秋葉原井上ビル7階
▽設立=2012年1月
▽資本金=990万円
▽従業員=約20人
▽事業内容=投資用ワンルームマンションの売買、賃貸管理、リフォームなど
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