動画のアイドルを独り占め KDDI、「音のVR」聴きたい部分選択

 
動画の中のアイドル一人一人の歌声を聴くことができるKDDIの新サービス「音のVR」を体験する「モーニング娘。’18」のメンバーら=14日、東京都港区

 KDDIとKDDI総合研究所は14日、動画の中で歌うアイドル一人一人の声を聴くなど、自由自在に集中して聴く部分を選択できる技術「音のVR」を発表した。これまでは、動画で聴きたい歌手や演奏者にズームしても映像がズームされるだけだったが、新技術により映像と音の合致した体験ができるようになるという。5月以降、音のVRを体験できる専用アプリが、米アップルの基本ソフト「iOS」向けに提供される。

 同日の発表会には、音のVR対応動画の収録に参加した、アイドルグループ「モーニング娘。’18」の13人のメンバーが登場。メンバーは自分たちの映像を見ながら、一人一人のメンバーにズームして、その歌声を集中して聴ける技術を体感した。メンバーの飯窪春菜さんは「13人いるので、13人にズームしてもらえれば13回動画を楽しんでもらえますね」と話した。

 KDDIは2020年を予定している第5世代(5G)移動通信方式の普及後は、コンサート会場で、スマートフォンなどにライブ映像を映しながら、聴きたいアイドルの声を集中して聴いたり、コンサート会場から離れた場所でも、聴きたいアイドルの声に集中してライブ映像を視聴したりすることなどを計画している。

 KDDI総合研究所の滝嶋康弘執行役員は「音も映像に合わせて聴くことができればより没入感を得られる」と自信を示した。