どうなる日本トイザらス…米社破綻で資本関係変更も 急きょ取引先へ説明で不安払拭に躍起
3月15日、玩具販売大手の米トイザラスは、アメリカ国内の全735店舗を閉鎖し、同国での事業を清算することを裁判所へ届け出た。米トイザラスは、2017年9月に米連邦破産法第11条(以下、チャプター11)を申請したが、スポンサーの選定が難航していた。日本トイザらスが取引先に説明文を送付したことがわかった。(東京商工リサーチ特別レポート)
◆「営業活動に支障はない」と強調
同日、日本事業を担う日本トイザらス(川崎市)の担当者は東京商工リサーチ(TSR)の取材に「日本の店舗運営に影響はない」とコメントした。
日本トイザらスの株主は、ティーアールユー・ジャパン・ホールディングス・エルエルシー(以下TRUJ)とティーアールユー・ジャパン・ホールディングス2・エルエルシー(以下、TRUJ2)だ。
この2法人は、トイザラス・アジア・リミテッド(香港、以下、トイザらスアジア)の支配下にあり、トイザラスアジアには米トイザラスが約85%を出資している。
15日、日本トイザらスの担当者は、「取引金融機関にはリングフェンス(TSR注:資金の組織別管理)を義務付けられており、米トイザラスへの配当の制限や貸付の禁止などを約束している」とコメント。
その上で、「日本トイザらス、TRUJ、TRUJ2、トイザラスアジアの4社は、もともとチャプター11の対象外であり、本件(アメリカでの事業清算)で営業活動に支障はない」と語った。
◆「トイザラスアジアの売却も検討の一つ」
ただ、16日に取材に応じた別の担当者は、「(米トイザラスによる)トイザラスアジアの売却も検討の一つと聞いている」とコメントした。今後、資本関係は変更される可能性もあるようだ。
日本トイザらスの業績については、「2018年1月期(集計中)も前期並みの売上を確保しており、2019年1月期は小型店を中心に新規出店を計画している」(日本トイザらス)と強気の姿勢を崩していない。
日本トイザらスは金融機関と独自でシンジケートローン契約を締結していることや、米トイザラスとの間に債権・債務がないことを挙げ、アメリカでの事業清算が日本トイザらスの財務に影響を与えることはないとの見解だ。
◆取引先の国内企業は約250社にのぼる
日本トイザらスは、「トイザらス」と「ベビーザらス」を国内で約160店舗運営している。TSRのデータベースで検索すると、日本トイザらスと直接取引のある国内企業は約250社を数える。
関東に本社を置く取引先の担当者は16日午前、TSRの取材に対し、「15日以降、日本トイザらスからの説明はまだない。取引先への説明などのアクションをしっかりするべきだ。対応によっては与信枠の判断にも影響する」と淡々と語った。
そうしたなか、16日に日本トイザらスが取引先に説明文を送付したことがわかった。日本トイザらスのディーター・ハーベル社長名と、トイザラス・アジア・リミテッド(香港、以下、トイザラスアジア)のアンドレ・ジェイブス社長名の2種類の説明文が送付された。
◆「日本トイザらス」の説明文
日本トイザらス名義の書面には、「日本を含むアジアのトイザらス事業は今回の米国事業の清算プロセスには含まれておらず、日本での事業は今後も変わらず継続する」と記載され、健全経営を訴える内容となっている。
概略は下記の通り。
(1)全ての商品とサービスに対する支払いを通常通り継続して行う
(2)米トイザらスとの間に借入等の財務的な結びつきはない
(3)2016年度末の自己資本比率は45%
(4)今後、トイザらスアジアおよび日本トイザらスの株主が変更となる可能性がある
(5)日本での出店は従来以上に積極的に行う
◆「トイザラスアジア」の説明文
一方、トイザラスアジア名義の書面には、「(トイザラスアジア事業は)十分な収益およびEBITDAを生み出しており、健全なキャッシュフローを有しUS事業から独立している」旨が記載されている。
日本トイザらスとしては、送付した書面や担当を通じた取引先への説明で米トイザらス清算の動揺を払しょくしたい考えだ。ただ、送付が先週金曜日(16日)であり、まだ内容を精査していない取引先もいるとみられる。
日本トイザらスの説明がどのように受け止められるか注目される。
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