日本の“おもてなし”自動化で世界に ITベンチャーのACALLがサービス提供
□ACALL・長沼斉寿社長
■受け付け業務、人手介さず自動化
大手に限らず中小企業でも深刻な人手不足で、受け付け業務に人を割けるほどの余裕はない。こうした中、ITベンチャーのACALL(アコール、兵庫県芦屋市)は2月から、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)技術を活用した来客対応サービス「ACALL」で新しい機能の提供を始めた。受け付け業務に限らず、入退館の管理や会議室の予約、飲み物の提供など、来訪者に関する一連の業務を人手を介さずに自動化させている。具体的にはいったいどんなサービスなのか、開発に携わった長沼斉寿社長に聞いた。
スマホで会議室予約
--来客対応サービスの仕組みは
「来訪希望者が面会の約束を入れると、2次元バーコードが電子メールで送られる。それを紙に印字するか携帯電話の画面に表示させ、到着時に受付にある読み取り機にかざす。すると担当者に、来訪者の到着を電子メールで知らせる。クラウドベースによるサービスのため、専用の機械を導入する必要はなく、タブレット型の携帯情報端末を受け付けに置いておくだけで機能する」
--ここまではよくある受け付けシステムだが
「ACALLのサービスはここからが特徴的だ。ACALLは1月に、受け付けに関するさまざまな業務を一元化した独自のソフトウエア『OMOTENASHI(おもてなし)エンジン』を開発し、特許を出願した。同エンジンでは、社員が会議室や応接室の利用状況をスマートフォンなどで把握し、その場で予約できるようにした」
タクシー配車も
--このエンジンの投入で、受け付け業務はどう変わるのか
「来訪者が2次元コードを自動販売機にかざすことで、好きな飲み物が取り出せるほか、会議室にある携帯情報端末からタクシーの配車依頼もできる。会社によっては、受け付け業務が総務部門の担当であるのに対し、応接室の管理は施設部門だったりと分かれていたりする。とりあえず予約だけしておくものの、キャンセルを忘れるケースなどもあり、必ずしも会議室などがうまく利用されているとは言い難いケースも少なくない。このエンジンを搭載したシステムを活用すれば、会社としての“おもてなし度”を高められる」
--これまでのACALLの販売実績は
「既に近畿大学(大阪府東大阪市)や三菱東京UFJ銀行、フィンテックベンチャーのfreee(フリー、東京都品川区)など、約400の企業や団体への納入実績がある」
--今後の販売戦略について
「国内や海外で代理店を起用して、販売を強化したい。第1弾として、年内に国内では主にOA機器販売会社など数社を代理店に起用することを考えている。日本発の“おもてなし”のカルチャーを世界に広めたい」
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【プロフィル】長沼斉寿
ながぬま・よしひさ 神戸大経営卒。日本IBMを経て、2010年にBALANCE&UNIQUE(現ACALL)を設立し、社長。36歳。兵庫県出身。
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【会社概要】ACALL
▽本社=兵庫県芦屋市大東町3-3
▽設立=2010年10月
▽資本金=1000万円
▽従業員=9人
▽事業内容=来客対応RPAサービスの開発、販売
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