ヤフー川辺副社長、仮想通貨参入は「買収でない限り難しい」
□ヤフー副社長・川辺健太郎さん(43)
--6月にヤフーの新社長に就任する
「パソコンからスマートフォンの会社にある程度シフトできたので、次はスマホからデータの会社にしていきたい。法人向けデータビジネスを大きくする。モバイルペイメントにも力を入れていきたい」
--仮想通貨への興味は
「子会社の『ワイジェイFX』では外国為替証拠金取引業を行っているが、顧客が仮想通貨に流れている。金融庁は仮想通貨取引所の新規登録で審査を厳格化するとしており、参入するには(既存交換所を)買収などしない限り難しい。前提としてブロックチェーン技術がどういうふうに使われるかは重大な関心事だ」
--新たなモバイルペイメントは、各社の2次元バーコードを使った「QR決済」とどう差別化を図るか
「年内にも決済サービス『ヤフーウォレット』を飲食店でも使えるようにする。予約から割引、決済まで一気通貫でできるものを想定している。サービスと決済の融合だ。QRコードも夏ごろにはサービスに組み込む」
--どのエリアを強化するか
「ヤフオクドームのある福岡市はお膝元だと思っており、最も使いやすいエリアにしたい。屋台や自販機も含めた何百万軒で使えるようにしたい」
--中国でインターネット上での信頼を信用情報に結びつけるスコアリングが増えているが、導入する考えは
「取引をする際の与信は以前からあったこと。ヤフーオークションの出品者と入札者の相互評価はその典型だ。それが改めて注目を集めているのは、ネットのサービスがネットだけで収まりきらなくなっているからだろう。(シェアリングの)自転車を返さない人に(何かを)貸したくないなということだ。ただ日本の文化にはなじみにくいのではないか」
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【プロフィル】川辺健太郎
かわべ・けんたろう 青山学院大法卒。在学中の1995年にインターネットのベンチャー企業「電脳隊」設立。2000年ヤフーに入社し、ヤフーニュース責任者、メディア事業統括本部長などを経て、12年7月から副社長。東京都出身。