ミサワホーム、まちづくり事業強化 医療・介護、保育など施設に集約

 
まちづくり事業のブランド「ASMACI」の第1弾となる「ASMACI浦安」=千葉県浦安市

 ミサワホームは、まちづくり事業を強化する。具体的には超高齢社会や少子化の進展を踏まえ、医療や介護、子育て支援を中心とした複合開発を推進。1カ所にさまざまな機能が集約したコンパクトシティー型の不動産開発も、積極的に手掛けていく。同社は2019年度を最終年度とする中期経営計画を進めており、19年度のまちづくり事業の売上高は17年度見通しの約2倍となる638億円を計画している。その後も大きく伸ばすことで、戸建て住宅に次ぐ経営の柱へと育成する考えだ。

 まちづくり事業は「ASMACI(アスマチ)」というブランドで展開する。

 第1弾の物件としてこのほど完成したのが「ASMACI浦安」(千葉県浦安市)。医療や介護、保育、住居などの機能を備えた複合商業施設で、建物の上層階には賃貸住戸(1LDK~2LDKタイプ、28戸)を配置した。隣接する浦安中央病院との一体利用が可能だ。

 施設内には調剤薬局と一体となったコンビニエンスストアや小児科クリニックなどを開設。認可保育所や浦安中央病院が運営する病児・病後児保育室も設置することで、子育てがしやすい環境づくりを後押しする。

 また、ASMACI浦安に隣接した約4800平方メートルの敷地を取得。元気なシニア層をターゲットにした90戸前後の分譲マンションを11月に着工する。20年の完成を目指し、浴場やレストランといった共用部を充実させることで、コミュニティーの活性化につながるまちづくりに力を入れる。また、部屋の電球交換や宅急便の取り次ぎといった生活支援サービスを提供する「ライフコンシェルジュサポート」も導入する。

 第2弾以降は現時点で決定していないが、ミサワホームの磯貝匡志社長は「高齢者や子育て世代を支えていけるまちづくりを進めていく」と、まちづくり事業の強化に当たっては、地域包括ケアシステムの推進に意欲をみせている。