東芝CEO、年内に改革プラン メモリ売却「方針変えない」
東芝の会長兼最高経営責任者(CEO)に1日付で就任した車谷暢昭氏は3日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却について、「当局が独占禁止法審査を継続中なので、方針を変える必要はない」と計画通りに進める考えを示した。
東芝は東芝メモリを当初3月末までに売却する計画だったが、中国当局の承認が下りず間に合わなかった。東芝に違約金なしに契約を解除できる権利が発生するため、一部海外株主からの売却撤回の要求が勢いづく可能性があるが、「サインした以上、誠実に責務を果たすのがこの世界の常識だ」と語った。
一方、巨額損失を計上して経営危機を招いた原子力事業は、国内外で事業環境は厳しさを増しており「リスクを1社でコントロールするのは難しい」との見解を示した。東芝、日立製作所、三菱重工業の3社は原発向けの核燃料事業の統合交渉を再開。車谷氏は銀行員時代に東京電力の支援に携わるなど原発事業に精通するだけに、今後は燃料だけでなく原子炉事業の再編に発展するとの見方もあるが、「これから私なりの考え方をまとめたい」と述べるにとどめた。
東芝の再成長に向けては「年内に『変革プラン』を策定する」方針を明らかにした。2日付でプロジェクトチームを発足。収益体質を抜本改革し、グローバル企業へ復帰するため、来年度から5カ年の成長戦略を描く。現時点で具体的な収益指標などは示さなかったが、「中途半端な収益改善では生き残れない。すべての仕組みを変えても、競合の少なくとも真ん中より上を目指す」と強調した。
中核をなすのがメモリー事業売却後に柱となる社会インフラ事業での「リカーリング(循環)型ビジネスモデルへの転換」だ。機器販売だけでなく、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)を組み合わせたサービスを通じて安定した利益を継続的に獲得することで、収益性をてこ入れする。
だが、規模に勝る国内外の大手企業も同様のビジネスを志向する中、東芝が厳しい競争を勝ち抜くのは容易ではない。東芝の2018年3月期の営業利益見通しはゼロ。限られた期間で“物言う株主”を納得させる水準に収益性を高められるか、改革に挑む車谷氏の経営手腕が問われる。(万福博之)
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