安定供給確保に高い壁 送電線の「空き容量」運用見直しで
経産省が送配電網の運用を見直したのは、接続余地の確保が再生可能エネルギー導入のハードルになっているためだ。大手電力は現行のルールに基づき運用しているが、一部の再エネ事業者は平均的な利用率の低さを基に「空き容量ゼロを理由に接続を拒んでいる」と批判。今回の見直しで接続の入り口は広がるが、再エネの導入拡大には価格引き下げや安定供給の確保が課題になる。
「日本版コネクト&マネージ」の議論の契機は、発電所から電気を送る基幹送電線の利用率の低さだ。大手電力は緊急時の予備分の50%を確保し、需要のピーク時も送電量は容量の50%以下に抑えている。このため平均的な利用率は1~3割にとどまるとみられる。
接続を望む再エネ事業者は平均利用率を基に空き容量があると主張し、空きがないとする大手電力を批判してきた。だが、経産省は、ピーク時の送電量は平均利用率を上回っており、落雷時などに新規事業者が発電を続けると既存の事業者が送電できなくなり「停電になる恐れが高まる」と指摘する。
このため今回の見直しでは、予備の空き容量の活用には緊急時に発電を停止・制御できることを条件とし、安定供給に配慮した。
また、再エネ事業者は送配電網に空きがない場合、接続に巨額の増強費用を求められることに対し、「発電事業者が負担するのはおかしい」とする。これには電力業界が「送配電事業者が負担すれば利用者の負担になる」と反論。結果、経産省は費用負担について、分割払いをしやすくする見直しにとどめた。
経産省は長期のエネルギー戦略で再エネを「主力電源」と位置付けた。本格的な導入拡大には国際的に比較して高い発電費用の低減に加え、安定供給を担う責任が求められる。(会田聡)
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