ドコモ、マツキヨと提携 買い物でどちらもポイント 楽天と競争展開へ

 
新しいポイントサービスをPRするNTTドコモの吉沢和弘社長(左)とマツモトキヨシホールディングスの松本清雄社長(右)=18日、東京都港区

 NTTドコモと、ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングス(HD)は18日、マツキヨの買い物でdポイントとマツキヨポイントが同時にたまるサービスを始めると発表した。ドコモはdポイントの加盟店を増やしており、携帯電話事業でも競合となる楽天のポイントに対抗。2020年度までにポイント発行額日本一を目指している。携帯電話契約者数が頭打ちとなる中、ドコモは携帯電話契約の有無を問わず、dポイント利用者を増やす考えだ。

 携帯契約者以外にも

 マツキヨ店舗でのdポイント取り扱いは、30日から東名阪850店で開始し、順次、全国1600店に拡大する。買い物の際、ドコモのdポイントカードとマツキヨのマツキヨポイントカードを2枚提示すると100円につき各ポイントが1ポイントたまる仕組みだ。

 ドコモは携帯電話契約者以外の顧客取り込みに注力しており、dポイントの利便性向上と会員数拡大を図る方針を打ち出している。dポイントで支払える加盟店は18日時点で、ローソンやマクドナルドなど112社3万1300店と16年度末の31社から大幅に拡大した。dポイント会員も3月末で6500万人とTポイントに匹敵する規模に成長した。

 ドコモの吉沢和弘社長は「今までは携帯電話契約者基盤中心のサービス提供だったが、dポイントの会員基盤に(電子書籍や動画視聴など)dマーケットのサービスも回線契約も乗っている」と強調。その上で、「携帯電話契約者は約7600万人だが、dポイント会員は1億人になる可能性もある」と述べ、携帯電話契約者以外にもdポイントをPRする考えを示した。

 楽天参入に対抗

 ドコモがdポイント会員獲得に力を入れるのは、来年10月の楽天の携帯電話市場参入で競争活性化が見込まれる中、ドコモの携帯電話契約者数が頭打ちになる可能性が高いからだ。ただ、ポイントでは先行する楽天は利用会員9500万人を抱え、利用可能店舗も昨年9月時点で70万店に達するなど、ドコモとの差は大きい。

 ドコモは、楽天に格安スマホサービスのための回線などのインフラを貸し出すなど良好な関係を築いてきた。しかし、楽天が携帯電話事業参入を表明すると、ドコモの親会社、NTTの鵜浦博夫社長がグループとして楽天との協業関係を解消する可能性に言及した。今後はポイントサービスについて、楽天とドコモは激しい競争を展開することになりそうだ。