ローソン、レジに並ばずスマホで決済 都内で実証実験、今秋本格導入

 
レジに並ばなくても決済できる「スマホペイ」の実証実験。決済後に表示されるQRコードを読み込ませ退店する=23日、東京都中央区

 コンビニエンスストア大手のローソンは23日、店内でレジに並ばずにスマートフォンのアプリで決済できる新サービスの実証実験を東京都内の3店舗で始めた。購入時間短縮による利便性アップで来店客増を狙うとともに、余裕のできた店員を品出しや店内調理に専念させるなど人手不足解消にもつなげたい考えだ。

 ローソンの新サービスの名称は「ローソンスマホペイ」。国内コンビニでセルフ式も含めてレジでの決済が不要なサービスは初めて。実証実験は5月31日まで行い、サービスの使い勝手や防犯面の課題などを検証した上で、9月以降に朝の出勤時間帯や昼休みに混雑する都心部の店舗を中心に本格導入していく。

 スマホペイは、来店客が入店したところで公式アプリを起動し、利用する店舗を選択。続いて購入したい商品のバーコードをスマホのカメラで読み込んでいき、クレジットカードなどで決済するしくみ。決済後にはスマホ画面に2次元バーコードの「QRコード」が表示され、店頭の専用リーダーにかざして決済を終えていることを確認して退店する。

 スマホ決済は店内のどこででも可能なため、混雑時には長蛇の列になることもあるレジに並ぶ必要がなくなり、購入時間が大幅に短縮できる。今回の実証実験に先立ち、同社が3月19日~4月13日に本社1階の店舗で試行したところ、来店客の平均滞在時間が3分から1分になったという。

 ただ、年齢確認が必要な酒類やたばこの購入、さらには公共料金支払いなどでは使用できない。ローソンでは、こうした利用者にも配慮して、日中の時間帯は有人レジも存続する一方、午前1~4時はレジを原則無人化する。レジから離れられるようになる深夜勤務の店員は、朝の営業に備えて商品整理などに集中し、レジ決済が必要な来店客には、その都度レジに行って対応する。

 23日に東京都中央区の店舗で実証実験を視察した竹増貞信社長は「買い物に関わるストレスを一気に解消し、店舗の生産性を向上させたい」と抱負を述べた。