NEC、米でAIソフト新会社 ビッグデータ解析を省力化

 

 NECは26日、人工知能(AI)を使ってデータ分析を行う独自のソフトウエアについて開発・販売などを手がける新会社「dotData(ドットデータ)」を米国に設立したと発表した。

 ドットデータは米カリフォルニア州クパチーノ市に拠点を置き、CEOには、ソフトウエア開発に携わったNECデータサイエンス研究所の藤巻遼平主席研究員(36)が就任する。

 NECによると、ビッグデータ分析市場の急拡大に伴って分析を手がけるデータサイエンティストの負担が増し、人手不足も深刻化している。

 しかし藤巻研究員ら開発の「予測分析自動化技術」と呼ぶ独自ソフトウエアを使うことで、人手に依存していたデータ分析作業をAIで完全自動化が可能になり、大幅な時間短縮と省人化が実現したという。

 NECが2016年に三井住友銀行とともに実施した実証実験では、金融商品の開発などを念頭にした顧客情報や入出金情報などの分析作業が、通常2~3カ月のところを1日未満で済んだ。

 ドットデータは今後、米国内でパートナーの獲得や外部資金の調達を進め事業を拡大させる。NECはドットデータからソフトウエアの独占販売権を得て今年度上期から提供を始める。