ハンドスピナー世界最小サイズに挑戦 ミネベアミツミ、1.5ミリ軸受けと「職人技」で実現
小型ベアリング(軸受け)の大手メーカー、ミネベアミツミは、世界最小のハンドスピナーを開発した。ギネス世界記録にも認定されたこのハンドスピナーの製作は、金属加工を手掛ける由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)のものづくり技術が支えていた。
ハンドスピナーは、直径8センチほどの大きさのおもちゃで、手のひらや指先に中心部を置き、中心部から3方向に伸びる羽根を回転させて遊ぶ。ミネベアミツミが開発したのは大きさがわずか5.09ミリ。
同社が2015年に開発した直径1.5ミリのベアリングは「世界最小の量産可能なスチール製ボールベアリング」としてギネス認定されている。
「このベアリングを使って、何か面白いものが作れないか」。ハンドスピナーが流行していた昨年8月、ミネベアミツミの石川尊之広報室長の何気ない一言から開発プロジェクトが始まった。
とはいえ、直径1.5ミリのベアリングを使った手作業によるものづくりは同社にとっては至難の業。そこで同社の直径1.5ミリのベアリングを実際に使っている町工場を探すことになり、このベアリングを使って高級腕時計の製造を手掛けていた由紀精密に白羽の矢が立った。
由紀精密は、ハンドスピナーの羽根の設計、世界最小の軸受けを使った組み立てを担当した。通常業務を終えた後に、製作に取りかかる。机の周りを囲いで覆って、息を潜めながら、ピンセットを使った細かな手作業の連続だった。
ハンドスピナーは回転すると羽根に遠心力がかかるために、一定程度の大きさが必要となる。その半面、小さすぎると強度が落ちやすくなり、羽根が取れてしまう。「小ささと強度の両立が一番の課題」(永松純開発部部長)となり、100種類以上も試作を繰り返した。
昨年11月に名古屋でプロの測定士による認定試験を実施。その模様を記録したビデオをギネスワールドレコーズの日本支社に提出し、同月下旬にギネス記録に認定された。
軸受けは機械や装置の内部に組み込まれており、多くの人にはあまり知られていない、いわば「黒子」のような存在だが、ミネベアミツミの石川室長は「これを機にものづくりに少しでも関心を持ってもらえたらうれしい」と話している。
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