パナソニック業績急回復、最終利益58%増 テスラ問題がリスク
パナソニックの業績が急回復している。10日発表した平成30年3月期連結決算は、最終利益が前期比58・0%増の2360億円と大幅増益になった。工場自動化に使うモーターや車載関連事業が好調だった。ただ、今後の収益の柱と位置付ける電池事業は、車載用を納める米電気自動車(EV)メーカー、テスラの生産遅れの影響で赤字となった。今後の業績がテスラに振り回されるリスクは拭えない。
最終利益が2千億円を超えるのは20年3月期以来10期ぶり。売上高は8・7%増の7兆9821億円、本業のもうけを示す営業利益は37・5%増の3805億円と増収増益だった。31年3月期も、売上高が4・0%増の8兆3千億円、営業利益は11・7%増の4250億円を見込んでいる。
復調しつつあるパナソニックの業績だが、足元、直面する大きな懸案がテスラ問題だ。昨年7月にテスラが発売した低価格EV「モデル3」の生産立ち上げに時間がかかっているためだ。今年6月末までに週5千台の生産を目指すとしたが、3月末時点で2200台程度にとどまった。
この影響でパナソニックは2月に、電池関連の営業損益が約240億円下振れし、当初見込んだ黒字を確保できなくなったと公表し、30年3月期は二次電池で18億円の赤字になった。
津賀一宏社長は同日、東京都内で開いた決算記者会見で、テスラのモデル3について「量産の立ち上げにてこずっているが、確実に生産台数が上がってくる」との認識を示し、関連売上高の拡大が見込めると強調した。車載用電池は、21年に買収した三洋電機の技術や設備も生かしてパナソニックが世界トップシェアを誇り、今後の経営の要諦をなす事業だ。テスラをリスクでなく、飛躍のステップにできるかが焦点となる。
(今井裕治)
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