日中協力で第三国受注期待 経団連など李首相歓迎レセプション
経団連などの経済界は10日、来日中の中国の李克強首相の歓迎レセプションを東京都内で開催した。出席した安倍晋三首相と李首相は9日に合意した経済分野での連携強化を改めて強調し、友好ムードを演出した。経済界も中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関連し、第三国市場でのインフラ受注の拡大などに期待感が広がった。ただ中国による知的財産の侵害といった対立は解消されておらず、日本側には警戒感もくすぶる。
安倍首相はレセプションで「アジアのインフラ開発を進め、競争よりも協調で(日中関係を)新たな段階に押し上げたい」と強調。李首相も「一帯一路と日本の成長戦略をつなぎ合わせたい」と述べた。
日中両国は9日の首脳会談で、アジアのインフラ整備で協力することや、日本の機関投資家に対する中国への2000億元(約3兆4000億円)の投資枠設定など金融協力の強化策で合意。経団連の榊原定征会長は「一帯一路関連のプロジェクトや第三国市場で、新たな枠組みを活用したい」と述べ、ビジネスチャンスの拡大に期待感を示した。
日本政府は成長戦略の一環として、2020年に15年比で1.5倍に当たる約30兆円のインフラ受注を目指しており、中国との連携は追い風になる。特に「中国企業は南アジアなどで強い」(政府関係者)ため、こうした地域において電力や鉄道といった受注の拡大が見込めそうだ。
一方、中国にとっても一帯一路で日本と連携できれば、日本企業が持つ信頼性や公平性などをアピールできる利点がある。
ただ日本側には中国に対する懸念も根強い。国有企業の優遇に加え、外資企業に事実上、技術移転を強要するといった不公正な貿易を続けているためだ。
日本商工会議所の三村明夫会頭は10日の定例会見で「一帯一路は素晴らしい構想だが、意図はいろいろある」と中国投資に慎重な姿勢を示した。日本の政府関係者も「プロジェクトごとに是々非々で判断すべきだ」と話す。
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