ファーストペンギン、ＥＣ向け決済代行サービス開始　独立・創業を支援

　アフィリエイトサービスを提供する「ＡＳＰ事業」を手掛ける、ファーストペンギン（東京都渋谷区）は、電子商取引（ＥＣ）向けに決済代行を行うサービス「ＡｑｕａＧａｔｅｓ（アクアゲイツ）」を開始した。

　市之川匡史・代表取締役社長執行役員ＣＥＯはアクアゲイツについて、「まずＢｔｏＣを中心にサービスを提供していく。国内はもとより、海外との決済にも対応できるなどのメリットがある。スタートアップ企業などにこうしたサービスを提供していくことで、独立支援や創業支援をより強化したい」と話している。

　同社の主力事業である「インフォトップ」は、登録した個人や法人が、電子書籍などのデジタルコンテンツや物品などの商品を掲出し、それらの販売を促進するためのアフィリエイトシステムや決済代行サービスを展開してきた。

　同サービスは、すでに決済取扱高が年間１４０億円を超えるまでに拡大。一つのジャンルを確立した格好だ。

　インフォトップでは、販売支援や決済代行など含むＥＣ（電子商取引）プラットフォームをオールインワンの形で提供する。コンテンツや物品の販売を始めよう、という個人や法人には便利なサービスだ。

　一方、すでに自らのサイトなどを有している場合などでは、そのサービスを一括ではなく、部分的に利用したいというニーズもある。中でも決済の部分については、いかなるＥＣサイトでも必要となる。副業を解禁する企業が増加する中で、ネット通販などのＥＣを始める人も増えそうだ。同社はこうした時流に配慮して、新サービスに乗り出した。

　市之川ＣＥＯが、独立支援に強いこだわりを示すのは、「（社名の）ファーストペンギンとは群れの中で最初に水に飛び込むペンギンのこと。天敵がいるかもしれない海中に、ためらうペンギンの中で真っ先に飛び込む勇者。われわれ自体もそうであり、リスクを考えながら独立する起業家やスタートアップ企業の挑戦を支援することも重要な役割だと考える」からだ。

　同社は新サービスを機に、副業も含めたＥＣビジネス向けにサービスの提供先を拡大。１、２年後をめどに決済取扱高年間２００億円以上の規模へと引き上げたい考え。あわせて、セミナーや広告、コンテンツなどの分野についても個別に事業化するなど、多様化するサービス需要に対応していくことにしている。

◇

【会社概要】ファーストペンギン

　▽本社＝東京都渋谷区代々木１－３５－４　代々木クリスタルビル５階

　▽設立＝２００６年８月８日

　▽資本金＝１５００万円

　▽従業員＝６５人　（２０１８年４月時点）

　▽事業内容＝アフィリエイトプラットフォーム事業、コンテンツ制作・販売事業、メディア事業など