柏崎刈羽再稼働は“いばらの道” 新潟県知事選告示、与野党とも慎重派
新潟県知事選が24日告示され、いずれも無所属新人の元五泉市議、安中聡氏(40)、自民党が支援する前海上保安庁次長、花角英世氏(60)、元県議、池田千賀子氏(57)=立民、国民、共産、自由、社民推薦=の3氏が届け出た。米山隆一前知事性問題で4月、任期途中で辞職したことに伴う知事選。6月10日に投開票される。
大きな争点は、同県に立地する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題。事実上、池田、花角両氏が対決する与野党一騎打ちの構図だが、与野党候補ともに再稼働に慎重な立場だ。再稼働に向けた地元の同意を得るのは容易ではなく、原発を再建の柱に据える東京電力ホールディングスにとって、厳しい経営環境が続きそうだ。
東電の経営再建計画によると、早ければ2019年度の柏崎刈羽原発の再稼働を前提とする。火力燃料費を減らせるため、原発1基の再稼働で年500億~1100億円の経費削減を見込む。だが再稼働が進まず収益力が回復しなければ、巨額の賠償や廃炉費用を捻出するため、経営戦略の見直しも迫られかねない。
再稼働の議論が長引く理由の一つに、再稼働に伴う電気料金の値下げという恩恵が県民にないことがある。
関西電力の大飯原発(福井県おおい町)など再稼働した原発は、各電力会社の供給エリア内に立地。県民は安全性はもちろん、値下げや電力の安定供給といった経済性も考慮に入れて再稼働の是非を判断する。
しかし、柏崎刈羽原発は違う。東電は基本的に新潟県内に電力を供給しておらず、再稼働しても値下げなどのメリットが県民には感じられないため、より再稼働に慎重になるようだ。
これに対し、政府は米山前知事の辞職後も「地元の理解を得ながら再稼働を進める」(世耕弘成経済産業相)方針を変えていない。
地元の理解を得るのは容易ではなく、再稼働の判断が長引けば、東電は巨額の賠償や廃炉費用を捻出するため、経営戦略の見直しも迫られかねない。(大柳聡庸)
関連記事