米、ZTE制裁解除か 「中国と合意」と報道

 

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)とロイター通信は25日、トランプ米政権が中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する制裁を解除することで中国政府と合意し、米議会に伝えたと報じた。ZTEは米政府に巨額の罰金を支払い、経営陣を刷新し、米国のコンプライアンス(法令順守)専門家を採用する。

 米中間の争点になっているZTEへの制裁が解除されれば、両政府の貿易協議も全面合意に向けて前進しそうだ。ZTE製端末の調達が滞った日本の大手携帯電話会社にも朗報となる。

 ただ、米議会ではZTEが米国の政府や企業から機密を盗むのを防ぐために制裁を続けるべきだとする議員が多い。制裁解除反対論が拡大する可能性がある。

 トランプ大統領は中国の習近平国家主席が制裁解除を要請してきたと説明し、解除に前向きだ。22日には制裁解除の代替策として、ZTEの経営陣刷新を要求し「罰金は13億ドル(約1400億円)になる可能性がある」と話していた。(共同)