【ベンチャー支援の現場から】SOMPOHD 介護・ヘルスケアでビジコン

 
昨年のビジネスコンテスト。高齢者向け介護・ヘルスケア関連サービスが対象で、高度なビジネスプランが寄せられた

 ■革新的な事業モデル応募相次ぐ

 SOMPOホールディングスとグループの介護事業会社であるSOMPOケア(東京都品川区)は、ベンチャー企業を対象としたビジネスコンテスト「“人生100年時代”を切り拓くシニアライフ・イノベーション・チャレンジ2018」を開催する。

 SOMPOHDは、介護・ヘルスケア事業部という組織を通じ要介護状態にある高齢者に向けたサービスを提供していたが、今年から方針を転換。シニアマーケット事業部へと衣替えを図り、要介護状態にないシニアも対象に加えた。

 平均寿命と健康寿命のギャップがなかなか縮まらず要介護者の数が増えていく一方で、介護人材の供給量が増えない点に着目。健康状態にある段階から予防に取り組まなければ、こうした課題を解決するのは難しいと考えたからだ。

 また、シニア層のニーズは多岐にわたることもあり事業の成功事例はなかなかない。このため「自社だけでトライしても、他社が取り組んできた域を出るのは難しい」(シニアマーケット事業部の並木洋平課長)と判断。ベンチャーとの連携によって革新的なビジネスの展開を目指すことにした。

 同社は昨年、高齢者向け介護・ヘルスケア関連サービスを対象としたベンチャー向けのコンテストを実施した。約35社から応募があり、ITを活用して現場業務の負荷低減を図ることで生産性の向上につなげる事業モデルなど、「想定していたよりも高度なソリューションが寄せられた」(並木課長)という。

 このため前回と同様、質の高い提案に期待を寄せる。今回はとくに大企業が、新規事業の一環として応募するケースが目立った。すでに7月27日に公開ピッチコンテストの形で行われる最終審査に向けて6社に絞られ、メンターによる面談やアドバイスを踏まえ、本番に臨む。入賞者にはグローバル展開を含む事業成長の場が提供される。