【スポーツi.】メジャーを席巻、でも今年は6000万円 他選手で見る大谷選手の年俸未来図

 
ルーキー・イヤーとして文句ない成績を残している大谷=20日、米カリフォルニア州のエンゼル・スタジアム(リョウ薮下撮影)

 米大リーグも開幕して2カ月余…。伝説のベーブ・ルース以来、100年ぶりに“二刀流”に挑戦しているエンゼルス・大谷翔平(23)。ここまで“ルーキー・イヤー”として文句ない成績を残している。

 投手で7試合に先発、40回3分の1を投げて4勝1敗、防御率は3.35、52奪三振。打者では30試合で2割9分1厘、6本塁打、20打点。24日のブルージェイズ戦では、中前に放った打球に対して俊足を生かして“二塁打”にし、潜在能力の高さを証明した(成績はいずれも日本時間29日現在)。

 「投げて打って、その上、足も速いのか…」。こんな米メディアの絶賛する声があった。

 今年は6000万円

 けど、そんなすごい男の今季の年俸はわずか54万5000ドル(約6000万円)。メジャー最低保障年俸である。

 大リーグの労使協定(2016年締結)により、25歳未満の外国出身選手はメジャー契約できない。当時「あと2年待てば、大金を手にできたのに」の声も聞こえてきたが、日本ハム時代の年俸2億7000万円を蹴って「メジャーで戦いたい」という夢を優先させた。

 そんな大谷だが、近い将来“夢のビッグマネー”を手にするかもしれない。

 原則的にはメジャー選手といえども、最初の3年間は球団側が提示する年俸に甘んじるしかない。メジャーで3年以上経てやっと選手は年俸調停資格が得られ、球団側との交渉で不満があれば、第三者に調停を持ち込むことができる。「フリーエージェント(FA)資格」は6年間。ビッグマネーのチャンスはさらに広がる。とにかく最低“石の上にも3年”が必要といえる。

 ところが、近年は少々事情が違ってきたようだ。各球団は資質ある有望選手の流出を防ぐため、選手が調停資格やFA資格を取得する前に“囲い込み契約”をする傾向にある。

 いい例がある。ヤンキースのジャンカルロ・スタントン(28)。10年にマーリンズでメジャー・デビューして、いきなり22本塁打。以降34、37、24本塁打と異次元のスラッガーぶりを発揮したが、年俸調停資格前の年俸は53万7000ドルだった。そしてメジャー在籍5年目の14年オフ、球団は“前倒し”で大型契約を結んだ。15年からの13年総額3億2500万ドル。翌年に控えたFAでの流出を防ぐためだった。

 スタントンは27歳の昨季、59本塁打でキングになった。チーム事情で今季からヤンキースに移籍したが、契約は存続され年俸は2500万ドルで最終年は37歳。危険な投資ともいえるが、超逸材の流出防止としては、こんな賭けもありなのだろう。

 アストロズにカルロス・コレアという三塁手がいる。大谷と同じ1994年生まれ、15年に新人王に輝いた。将来のチームの核となる逸材だが、メジャー3年目の昨季の年俸は、53万5000ドルと規定内だった。4年目の今季、やっと100万ドルに昇給したが、メジャー関係者は「今オフには複数年で引き留めるはず」と。5年目来季からは年俸1000万ドル以上の契約がささやかれている。

 複数年で3億ドルとも

 大谷はどうか。“100年に1人”の逸材として今、存在している。もともと“100マイル(162キロ)投手”として2億ドルの値が付いていた。今や“二刀流”の打撃でも「4番」を任されて付加価値は上がった。あくまで3年目を終えた21年以降になるが、その額は複数年で2.5億から3億ドルとも…。年俸3000万ドルも夢ではない。水面下ではエンゼルス関係者も「今オフから長期契約の検討に入るかもしれない」と“前倒し”を示唆していた。

 大谷の同僚にマイク・トラウトがいる。過去、MVP2度に輝いた26歳のスーパースター。今季メジャー最高年俸3408万ドルを得る男は、「遠くへ飛ばす力、それに剛速球を投げるなんて、思わず“なぜ”と自問自答してしまう。全てに見事としか言いようがない」と“自らを超えた”として『OHTANIの資質』を絶賛した。

 超逸材・OHTANIの年俸未来予想図は? 怖いのはケガだけ。ちなみに日本人最高年俸はヤンキース・田中将大の2200万ドルである。(産経新聞特別記者 清水満)