全国の調理師学校に留学生急増 和食の魅力、母国で発信
調理師専門学校で調理実習中の蔡洛燦さん(左から2人目)=4月、大阪市阿倍野区
海外での和食ブームに乗り、日本の調理師専門学校で料理を習得する留学生が急増している。「うま味を自国に伝えたい」「料理を通して日本文化を学びたい」と志すアジアの若者が目立つ。料理人の卵は母国で和食の魅力を広める人材になると、関係者は期待する。
全国調理師養成施設協会(東京)によると、2017年度の調理師専門学校などへの留学生数は424人で、10年度(178人)の2.4倍。専攻別の集計はないが、13年に和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録された後の伸びが著しい。国・地域別では中国が最多の134人、韓国103人、ベトナム66人、台湾62人とアジア圏からが大部分を占める。
大阪市の辻調理師専門学校と辻製菓専門学校では同じ期間に、留学生が3倍超の240人に増えた。技術の高さから西洋料理や洋菓子も人気だが、学校側の昨年4月の調査では、料理を専攻する新入生のうち68%が日本料理を希望した。
「和食の器の美しさやだしの繊細な味、おもてなしの精神の全てに衝撃を受けた」と話すのは、辻調理師専門学校で学ぶ中国・杭州出身の李梓晨さん(23)。「『おいしい』に国境はない。信用される料理人になって故郷の人に味わってほしい」と目を輝かせる。韓国出身の蔡洛燦さん(27)は「日本の食材は本当に質が良い。料理で人を笑顔にしたい」と話した。
農林水産省によると、海外の日本食レストランは17年10月時点で11万8000店。アジアの伸びが貢献して15年から3割増え、料理人の活躍の場は拡大中だ。辻調理師専門学校企画部の尾藤環部長は技術に加え、「料理と自然は寄り添い合っているという日本の伝統を教えたい。人材を育て、農業や食の文化的意義を支える責任がある」と語った。
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