【遊技産業の視点 Weekly View】ユニバーサルエンターテインメント開発本部マーケット戦略室室長・長谷川崇彦
■世の中からどのように見られるべきか
パチンコが大好きで攻略雑誌の世界に飛び込んだのが25年前。ちょうど大衆娯楽であるパチンコがアミューズメント産業へと変貌する時期で、業界内のさまざまな分野で拡大拡張が続いていた。思い返せば本当に勢いがあったことを思い出す。
それから15年。今から10年前に縁あって機械を開発するメーカーに籍を置くこととなった。思えばここが業界の最大規模だったか。産業としてはこの10年間でちょっとずつシュリンクしており、今回の規則改正によって、もはや新しい産業への変化を求められているのは間違いないところだろう。
機械のスペックや粗利構造など、商売としてのパチンコ業界については先輩方にお任せするが、パチンコ業界が今後どのように世の中から見られるべきなのか。そこを語られたことがほとんどない。大衆娯楽、遊技を前提としたアミューズメント…なんでもいいのだが、そこを戦略的に行ったことが一度でもあっただろうか。だからか、ネガティブな情報が一方的に流れ続け、業界がどこに向かうべきかの道標もない。個別企業の理念、方向性が先行し、それが業界の道標になるなんて他業界ではあり得ることなのだろうか。
では何をまず始めればいいのか。私は業界に携わる全ての人々、特に経営者そして営業に携わる人々が月に1度でもパチンコ・パチスロを楽しみ、「パチンコ楽しい!」と発信することから始めてみては?と思うわけだ。自分たちが商売として関わっているものに対して興味がない関係者が正直多すぎないか?もちろん営業者から経営者に変われば、考えることも仕事内容も変わることは重々承知している。しかしここ3年で機械内容も変わるし、お客さまの層も常に新しい層が入ってきている。それなのに新しい遊びやお店の空気を感じることもなく経営できるのか?と感じるわけだ。
ホールで経営者らが並んで遊技し、「あのリーチがハズレた!」なんて会話をしながら飲んでいる姿を見てみたいし、できればその模様を「パチテレ!」で放送させていただければと思う。
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【プロフィル】長谷川崇彦
はせがわ・たかひこ 1971年生まれ。東京都葛飾区出身。リスキー長谷川のペンネームで、ファン向け雑誌などで活躍。10年前にアルゼ(現在のユニバーサルエンターテインメント)に入社。開発本部マーケット戦略室室長・日本アミューズメント放送代表取締役。
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