経営破綻のタカタ、泥沼のお家騒動で「場外戦」 親子喧嘩が訴訟沙汰へ

 

 製造業では戦後最大の倒産となったタカタ。事業譲渡がこのほど完了したが、今度は創業家の前社長と実母の「親子喧嘩」で民事裁判に発展していることがわかった。一時はシェアトップを誇ったタカタ一族には、宴の後に場外戦が待っていた。(東京商工リサーチ特別レポート)

◆親子で互いの派閥の役員を解任し合う

 エアバッグ異常破裂の問題で2017年6月、製造業では戦後最大の倒産となったタカタは、今年4月にキー・セイフティー・システムズ社に事業譲渡が完了し、5月23日に再生計画認可決定を受けた。

 ところが、今度はタカタ創業家の高田重久・前タカタ社長と実母の高田暁子氏との間の「親子喧嘩」で、民事裁判に発展していることがわかった。

民事再生法の適用を申請し、記者会見するタカタの高田重久会長兼社長(当時)=2017年6月26日、東京都千代田区

 事の発端は、タカタの民事再生手続きの終結を睨んだ創業家の資産管理会社の運営についてだ。創業者が相続で揉めないようにグループを形成したが、思惑は倒産で脆くも崩れ去った。親子間でお互いに役員を解任し合うお家騒動。一時はシェアトップを誇ったタカタ一族には、宴の後に場外戦が待っていた。

 東証1部上場だったタカタの大株主は創業家の持株会社TKJで、持株比率は過半を超えていた。TKJの親会社は創業家の資産管理会社A社。その親会社はB社、C社、E社と遡り、そしてE社の株主は暁子氏が40%、重久氏(長男)が30%、重久氏の弟(次男)が30%保有し、タカタ創業家の主流だった。

 ところが、今回の裁判ではC社がB社に新株発行無効などを求める訴えを東京地裁に起こし、5月8日に1回目の弁論が行われた。

◆身内の争いと突き放すタカタ関係者

 争いの構図は簡単だ。東京地裁の裁判記録によると被告B社の株主は、原告C社51%と訴外D社49%だった。C社は暁子氏系、D社は重久氏系が源流となっている。

 原告側は、重久氏と実母の暁子氏の間に軋轢が生じ、重久氏がD社に新株を発行したという。これでD社が51%の過半を占め、C社は49%と過半割れになった。この一手で暁子氏系のC社が本流を外れ、D社に100%出資している重久氏が本流に座った。

 するとB社の取締役だった暁子氏と次男が今年1月16日、突然解任された。これに対抗し今度は1月18日、C社の代表取締役だった重久氏が解任された。被告側は長年、タカタグループの経営は重久氏が行ってきたと反論している。

 東京商工リサーチの取材にB社、C社の代理人はともに「コメントできない」と回答。タカタの関係者は「この裁判は民事再生手続きに影響はない」とあくまでも身内の争いと突き放す。結局、“名門”タカタ一族もお決まりの「争続」に嵌ってしまった。

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