【ソニー株主総会・詳報(2)】5Gの展開、「課題はスマホの競争力」

 
ソニーの株主総会が終了し、退場する株主ら。過去最高の更新で増配が行われたことから、厳しい質問は目立たなかった=19日午前、東京都港区

 --今後の社会変革は自動運転がもたらすだろう。それを踏まえて画像センサーに注力するそうだが、6年間に撤退したカーナビシステムもシナジーを発揮するのではないか

 吉田社長「かつてインターネットが大きなトレンド変化をもたらし、これからは自動運転、AI(人工知能)、ロボティクスへの流れだ。いずれも手がけていく。カーナビについては検討していくが、貴重な意見として参考にさせていただく」

 --企業は「人」だ。使い捨てにする企業もまま見られるが、人材をどう考えているか

 吉田社長「魅力的な商品・サービスを生み続け、高収益を上げて社会に貢献する上で人材は重要だ。自由闊達でチャレンジングな議論を若い頃から任せることも進めている。それが顧客満足や企業価値の向上につながると考えている」

 --総会に10年連続で出席しているが、今年は好業績でイヤな質問がないようだ。ただ「Xperia」(エクスペリア、スマートフォン)が足を引っ張っている。中国や台湾のスマホと比べて時流に乗れていないと感じるが、今後の戦略は

 石塚茂樹執行役「スマホは、人と人をつなぐ大切なコミュニケーションツールだ。中長期的に、持続的な発展を遂げるビジネスを目指している。2020年以降に始まる5G(次世代通信規格)は、ソニーのさまざまな機器に入る。スマホで培った技術がさまざまなハード、エンタメ分野に活用される。競争力強化は重要課題だ」

 --平井さん(一夫会長・前社長)と吉田さん(憲一郎社長・前副社長)は良いタッグだった。吉田社長が今のタッグ相手と見ている人は

 吉田社長「平井が掲げた『感動』というビジョンは変わらないが、私はそれに『人に近付く』を付け足した。平井がそうであったように、私を中心として経営チームで企業価値を向上させたい」

 --商品サポートの問題だが、私が住む横浜のサービスセンターがなくなった。「人に近付く」経営方針と逆に、遠ざけているように思える

 高木一郎執行役「ご不便をおかけして申し訳ない。最近は製品修理の際に、購入店やネット経由、また出張引き取りサービスを利用するお客さまが増えている。こうした中、利用者が少ない一部のサービスステーションを閉鎖しているが、利便性向上は『人に近付く』の第一歩と考えており、今後もサービス充実を図りたい」

 吉田社長「ご不便をおかけしたことに、私からもおわび申し上げる」

 --イノベーションの実現には、技術開発だけでなく「爆発的に売れる」ことが欠かせない。たとえばアマゾン、フェースブック、グーグル。昔で言えばソニーのトランジスタラジオ、ウォークマンのように。営業最高益とのことだが、もっと株価が上がっても良いはずだ。それは、イノベーションによる「新しいソニーらしさ」が発揮されていないからでは

 吉田社長「おっしゃる通り、単に技術開発だけでなく、使われ、広まることが大事だ。たとえば、マーケティング領域にもイノベーションは存在する。かつてのラジオで言えば、トランジスタを開発したのではなく、それをラジオに用いて世に広めたことがイノベーションだった。今後は自動運転、AI、ロボティクスの技術をどう使うか、ユーザーに広く使ってもらえるかを考え抜いていく」

 質疑応答は約1時間で打ち切られ、取締役13人の選任などを賛成多数で可決。総会は1時間35分で終了した。

■(1)吉田新社長、好業績にも「危機感」強調 に戻る

■ソニー前社長の平井氏、退職金+好業績で報酬20億円 開示制度の開始以降、ソニー最高額 を読む