「家ドック」システムを提供 日本戸建管理、東宝ハウスと提携

 
床下の点検風景。点検項目の数は約200に及ぶ

 日本戸建管理(大阪市中央区)は、首都圏で不動産の仲介事業を行う東宝ハウスホールディングス(東京都新宿区)と提携した。これに伴い、戸建て住宅専門の管理サービスを行う「家ドック」システムを東宝ハウスHDに提供する。

 同システムでは、戸建て住宅の家主が月額1080円の会費を支払って入会すると、各エリアの提携工務店が顧客の自宅を点検。対象となるのは外壁や天井、廊下など17部位、約200カ所を点検し、3段階のレベルを示した写真付きの報告書を作成する。この内容を踏まえて適切な維持管理の案内やリフォーム工事のアドバイスを行い、CS(顧客満足度)向上と建物の品質維持を図る。

 また、24時間コール対応や年2回の出張無料駆けつけなど各種サービスを受けられる。最大で年間1万円相当のリフォーム券も発行される。

 日本戸建管理は、2015年から本格的な管理事業を開始しており、外部と業務提携を行うのは今回が初めてとなる。

 東宝ハウスHDは「東宝ハウス品川」(東京都品川区)や「東宝ハウス湘南」(神奈川県藤沢市)など14の事業会社によって構成されており、首都圏で事業を展開。年間の仲介実績は4000戸に上り、このうち家ドックサービスの対象となる中古戸建て住宅の仲介件数は800件となる。

 新築マンションの価格高騰に伴い、割安感がある中古住宅への人気が高まっているうえ、政府も中古住宅の流通に力を入れている。一方で、住まいに関する問題の相談件数は年々増加している。こうした流れを受けて東宝ハウスHDは、家ドックシステムを導入。初回の会費を同社自らが負担して、取り扱い物件のCS体制をアピールすることで他社との差別化を図り、仲介実績の上積みを目指していく方針だ。

 日本戸建管理は、建売住宅の販売を行う創建(大阪市中央区)のグループ会社。家ドックの事業体制を強化するため、池田泉州銀行(同北区)と提携し住宅ローンの利用者を対象とした各種サービスを提供するなど、地域金融機関との連携にも力を入れている。