【トップは語る】住友商事 部門間連携を進めスピード経営重視

 
インタビューに応じる、住友商事の兵頭誠之社長=11日、東京都中央区(荻窪佳撮影)

 □住友商事社長・兵頭誠之さん(58)

 --目指す会社の将来像は

 「収益も大事だが、社会課題解決や地域貢献で認められる会社を目指す。1990年代にアジア通貨危機による資金難で発電事業が中断する経験をした。失敗してもその経験を生かし、社内外で連携し壁を乗り越えれば良しとする文化を広め、目に見えない評価を重視したい」

 --3年間で3000億円を次世代成長分野に投じる

 「テクノロジー×イノベーション、ヘルスケア、社会インフラの3分野に重点投資する。すぐにもうからないが重要な事業や金額次第で部門長権限で投資したり、部門間で有機的に連携する。このうち、200億円の先端技術枠は米シリコンバレーやロンドンの拠点で現場の判断で投資し、スピード経営を重視する」

 --社会インフラの具体的なイメージは

 「街づくり全体のハードとソフトを組み合わせ、ベトナムの北ハノイで検討する都市開発などにも応用する。港湾や空港事業への参画も検討し、生活インフラの提供で地域社会に貢献する。ヘルスケアでは今は病院経営は手掛けていないが、グループの基礎を築いた別子銅山(愛媛県新居浜市)の街づくりの中で経験がある。ドラッグストア運営子会社トモズに情報技術を加え、介護の可能性も広げたい」

 --デジタル化でプラットフォームをどう活用する

 「第4次産業革命は既成概念が変わる技術革新だ。自動運転で車がぶつからなければ車の強度設計概念も変わる。電気自動車(EV)に電池をためれば、必要な時に必要なだけ電気を調達する地産地消へ変わる。ケーブルテレビのJCOMは、顧客網を通じ電力などのサービスを販売し、自動車リースも可能性がある。スマートフォンに例えると、アイコンで必要なときに欲しいアプリのサービスを受けられる。使い勝手のいい会社を目指す」

【プロフィル】兵頭誠之

 ひょうどう・まさゆき 京大院修了。1984年住友商事入社、インドネシア住友商事社長、2012年4月執行役員、常務執行役員、専務執行役員環境・インフラ事業部門長を経て、今年4月から社長。愛媛県出身。