シェアハウスのSAKT、未払い問題が表面化 融資は“渦中”のあの地銀
シェアハウスなどの建築・サブリースを手掛けるSAKT Investment Partnersが複数の未払いを起こしている。シェアハウス関連融資問題が広がりを見せているスルガ銀行が融資していることも分かった。(東京商工リサーチ特別レポート)
◆昨年に本社を移転、リストラも
シェアハウスやアパートの建築、サブリースを手掛けるSAKT Investment Partners(東京都、大森啓太郎社長、以下サクト)が、複数の未払いを起こしていることが東京商工リサーチ(TSR)の取材でわかった。サクトは実質上の本社事務所を移転したが、オーナーには通知せず、一部オーナーから「連絡を取ろうとしても取れない状況」と怒りの声が上がっている。
サクトは、一部オーナーに対するサブリース賃料の支払いが滞り、シェアハウスを施工した建築業者への代金未払いも発生している。
サクトは、大森社長が2010年6月に設立。シェアハウスのサブリースなどで急成長し、2015年12月期は売上高78億8400万円をあげていた。しかし、2017年に入りシェアハウスオーナーへのサブリース賃料の未払いが表面化した。
サクトの商業登記簿上の本社は、東京都中央区銀座にある。だが、サクトの関係者によると、「2017年末に本社事務所を江東区東陽に移転。同時に30人以上いた従業員を8人程度に削減した」という。
その後も営業は続けているが、シェアハウスオーナーだけでなく、シェアハウスを施工した建設業者への代金未払いも表面化している。
◆融資申し込み関連資料に改ざん疑惑
サクトが手がけるシェアハウスオーナーに取材すると、物件融資は(スマートデイズなどシェアハウス向け融資が波紋を呼んでいる)スルガ銀行(本店・静岡県沼津市)が実行していることがわかった。
シェアハウスのオーナーはTSRの取材に、「スルガ銀行二子玉川支店から融資を受けた。融資申し込み関連資料が改ざんされている」と話す。オーナーによると、通帳の残高とスルガ銀行内に保存されていた通帳コピーの残高に大きなかい離があったという。
サクトは、確認できるだけでもシェアハウスを施工した建築業者2社から請負代金の支払いを巡って提訴されている。
埼玉県に本社を置くA社は、これまでサクトのシェアハウス20棟以上を手がけてきた。このうち2017年1月までに契約した一部の約4500万円が支払われていない。
◆施工会社への未払いには“沈黙”
このためA社は2017年4月、サクトを相手取り、未払い代金を払うよう東京地裁へ提訴。同11月、地裁はサクトに満額を支払うよう命じたが、現在もA社には「サクトから連絡すらない状態」(A社担当者)という。
TSRは、同様の被害を受けている東日本に本社を置くB社に取材したが、「連絡はない」(B社担当者)という。
TSRは2018年5月、江東区東陽にあるサクトの本社を訪問した。部長職の男性社員が対応したが、「社長は不在で、後日対応する」と話すにとどめた。
改めて6月5日に電話すると、先日対応した部長職の社員が、「質問をメールでもらえると社長に返信させる」と約束した。だが、同社員を通じて大森社長に質問状を送付したが、6月25日時点で回答はない。
◇
《東京商工リサーチ特別レポート》大手信用調査会社の東京商工リサーチが、「いますぐ役立つ最新ビジネス情報」として、注目の業界や企業をテーマに取材し独自の視点に立った分析をまとめた特別レポート。随時掲載します。
関連記事