リンクスタッフ、バングラデシュで日本語研修 IT人材を仲介へ

 
リンクスタッフがバングラデシュの国立総合大学、ジャハンギナガル大で開催したセミナー。学生の日本企業への関心も高まっている

 人材派遣のリンクスタッフ(東京都港区)は来春にも、バングラデシュで、IT系学生を確保するため日本語研修と日本企業への紹介事業に乗り出すことを明らかにした。このほど、首都ダッカに現地法人を設立。順次4大学と日本語研修で提携し、8月以降、日本語研修に乗り出す。また、現地で研修を受けた人材を対象に来年3月から日本でも研修を開始し、日本語検定2級レベルの実力を付けた上で日本企業への就職を仲介する。デジタル社会を目指す日本で、人工知能(AI)などの開発に携わるIT技術者が不足する一方、IT立国を目指すバングラデシュに優秀な人材が多いことに着目した。

 同社は、バングラデシュの私立大であるダフテル大学、グリーン大学の両校と日本語学校設置の覚書を結んだ。校内のインターネット環境や施設などのインフラを活用し、リンクスタッフが大学に日本語教師を派遣する形で、8月をめどに日本語学校を順次スタート。日本語検定4級レベルの語学力習得を目標としている。

 既に現地法人の「リンススタッフ」をダッカ市内に設立、今月、現地政府から営業認可を取得した。近く国立総合大学、ジャハンギナガル大学とも日本語学校の覚書を結ぶ計画だ。

 一方、リンクスタッフは東京・池袋の日本語学校を傘下に治めた。バングラデシュで一定の日本語の力を付けた学生に来日してもらい、日本で日本語検定2級程度の語学力を習得した上で、就職を希望する学生や卒業生を日本企業に紹介する。

 リンクスタッフの杉多保昭社長は、米国や英国が移民法を強化する中で「従来以上にバングラデシュの大学から、技術力のある日本企業で働きたいとのニーズが高まり、チャンスが到来している」と話している。

 国際協力機構(JICA)も昨年からバングラデシュでICT(情報通信技術)技術者の育成に乗り出している。日本国内でも、米IT大手クアルコムの日本法人や、ワークスアプリケーションズなどのIT企業は既にバングラデシュの人材を採用して戦力化しており、こうした動きが活発化しそうだ。

 バングラデシュでは小学生からプログラミングコンテストなどで数学的な能力が鍛えられ、「ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト」で上位に入賞する工科大学も多い。2021年までにITを今の繊維輸出に次ぐ産業の柱に育て、国を挙げてIT立国を目指す国家目標を掲げているものの、国内に高度な技術を持つ学生の就職先が多くはないのが実情だ。

 既に米航空宇宙局(NASA)やグーグルに加え、韓国サムスン電子は、大学との研究プロジェクトを通じて人材を囲い込んでおり、国際的な争奪戦がさらに激化するとみられる。

 日本でも、AIやあらゆるモノがネットにつながるIoTの普及が加速しているが、経済産業省の試算によると日本企業で不足するIT技術者は20年に37万人、30年には約59万人まで増える見込み。

 政府は6月に閣議決定した新成長戦略に、IT人材育成の強化を盛り込んだが、国内での育成には時間がかかり、海外の頭脳を取り込む動きが活発化しそうだ。

【会社概要】リンクスタッフ

 ▽本社=東京都港区赤坂4-9-17 赤坂第一ビル5・6階

 ▽設立=1992年12月

 ▽資本金=3000万円

 ▽従業員=404人

 ▽事業内容=医師、歯科医師、看護師、保健師、介護士の職業紹介、一般労働者派遣、開業・経営支援