ロカロジラボ、糖尿病を機に低糖質レシピ開発 「妊娠糖尿病に苦しむ人の力に」
生活習慣病の予防やダイエット志向の高まりから、コメやパンなどに含まれる糖質を過剰に取らない健康法が注目を集めている。低糖質やGI値(血糖値の上昇率を表す指標)の低さをうたう商品が人気となる中、飲食店、メーカー向けに砂糖や小麦粉を使わない低糖質・低GIメニューの提案や、食品メーカーとのコラボレーション商品の開発などを手掛けているのが、ロカロジラボだ。
社長の金子洋子さんが妊娠糖尿病に苦しんだ経験から「妊娠糖尿病に苦しむ人の力になりたい」と設立した。金子さんは、自身が立ち上げた一般社団法人「ロカロジ協会」の代表理事を務め、糖尿病予防の啓発活動にも取り組んでいる。
血糖値上げずに栄養
これまでの低糖質メニューは糖質やタンパク質、脂質などをはじめとする栄養量の表示がないものが多かったが、ロカロジラボは管理栄養士が開発段階から栄養計算を行うことで、メニューの信頼性を高めている。
低糖質・低GIに関するノウハウに加え、材料の提案や紹介、原価率設定まで、徹底したメニュー作りが特徴。「普段仕入れている食材を活用したり、既存メニューをアレンジすれば、低コストで低糖質・低GIメニューを導入できるようにすることも可能」(金子さん)という。
サラヤ(大阪市東住吉区)と業務提携し、昨年10月から普段の料理や飲み物に砂糖の代わりに使用できる天然甘味料「ママ用ラカントS」を販売。個別指導から料理教室、セミナー・講演会など事業は多岐にわたる。
金子さんがロカロジラボを設立したのは、第1子を妊娠中に医師から妊娠糖尿病と告げられたのがきっかけだった。インスリン注射を打っても血糖値が下がらないという状況の中、金子さんは血糖値をできるだけ上げずに栄養を取る方法を自らの体を使って開発、実践した。
IT企業でサーバーの運用などを担当するエンジニアとして働いていた金子さん。「もともと凝り性で、目標達成までのやり方や工程を自分で考え、突き詰めていくのが好きだった」と言う。
海外展開も視野に
夫の反対を押し切り、第2子の妊娠を決めてからは血糖値を基準以内に抑えようと自身で考案した低血糖・低GIの「血糖値の上がらない食事」を取り入れ、適度な運動も行うことで、妊娠中は薬を使うことなく体調を維持し、無事に第2子を出産した。
そのノウハウを生かし、「妊娠糖尿病の自分でも食べに行ける店をつくりたい」と、低糖質・低GIメニューを提供するカフェのオープンを目指して起業の勉強を開始。2016年に開かれた近畿経済産業局主催の女性起業家応援プロジェクト「LED関西」に出場すると、10人のファイナリストに残った。
それが契機となり、大阪信用金庫が出資主体の「だいしん創業支援ファンド」を利用し、同年12月にロカロジラボを立ち上げた。会社名の「ロカロジ」は、低糖質(ローカーボ)と低GI(ロージーアイ)にちなんだ。翌年1月には大阪市内にカフェ兼アンテナショップ「ロカロジキッチン」をオープンした。
だが、念願のカフェを開業したものの、「来店するのは低糖質・低GIメニューに関心を持つ業者ばかりで、一般客は少なかった」と金子さん。経営に携わったこともなく、資金調達などに四苦八苦する毎日。「やりたいことができない」と、ロカロジキッチンを閉店し、低糖質・低GIメニューや商品開発に事業をシフトすることにした。
ロカロジ協会では、「低糖質アドバイザー」の検定制度を設けようと準備を進めている。ロカロジライフを世の中に広く発信し、糖尿病に苦しんだり、血糖値の上昇を気にする人たちの食生活を健康で幸せなものにし、「糖尿病ゼロ」の社会を実現するのが目的だ。
金子さんは、「最近ではアジアを中心に海外からの問い合わせも増えており、今後は海外での事業展開も視野に入れたい」と意気込んでいる。
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【プロフィル】金子洋子
かねこ・ようこ IT企業での勤務を経て、2016年12月に「ロカロジラボ」を設立した。41歳。大阪府出身。
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【会社概要】ロカロジラボ
▽本社=大阪市中央区南新町1-1-7-602
▽設立=2016年12月
▽資本金=800万円
▽事業内容=低糖質・低GIメニュー、商品の開発など
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