汗をかくマネキン導入し、着心地研究 東京五輪・パラリンピックに向けて製品開発が本格化
東京五輪・パラリンピックまであと2年と迫り、選手らにウエアやシューズなどを提供するスポーツ用品メーカーが開発にしのぎを削っている。選手や各種競技団体などとの契約に基づいて取り組んでおり、本番での好記録とともに、一般的なスポーツ用品の品質向上も期待される。(栗井裕美子)
大阪府茨木市に今月19日にオープンしたのが、デサントの新研究開発拠点「ディスク」。2階建てで延べ4400平方メートル、総投資額は35億円だ。60度からマイナス30度まで再現できる人工気象室を設け、汗を均一に出せる世界初のマネキン人形を導入。実際に人が着用したときの衣服内の蒸れやダウンジャケットの保温性などを測定でき、着心地の良さにつなげる。
施設を視察した平昌冬季五輪男子モーグルの銅メダリスト、原大智選手は「運動の前後で体温を維持できるウエア開発を期待している」と話し、石本雅敏社長は「ここで生まれた製品が選手とともに活躍することを願っている」と力を込めた。東京大会に向けてはゴルフや自転車競技、フェンシング、競泳などで日本代表が着用するウエアを開発する。
他のメーカーも開発を本格化させている。東京大会のゴールドパートナーを務めるアシックスは、日本代表選手の公式ウエアや大会運営をサポートするボランティアのウエアなどを提供する。
男子陸上の桐生祥秀選手のほか、パラリンピックのリオデジャネイロ大会(2016年)メダリストで東京大会にも期待がかかる陸上の山本篤選手らと共同開発に取り組む。広報担当者は「暑さが予想される環境下でも快適に過ごせるなど、高機能な製品を提供する。最高の大会となるように貢献したい」とする。
ミズノは、リオ五輪で飯塚翔太選手のスパイクシューズを共同開発し、男子陸上400メートルリレーでの銀メダル獲得を支えた。バドミントン女子シングルスで銅メダルを獲得した奥原希望選手のラケットもミズノ製だった。
トップアスリート向けの開発は試作を重ねて完成となるが、そのノウハウが一般向け製品の品質向上にもつながる。東京大会が日本製のスポーツ用品にイノベーションをもたらしそうだ。
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