あったようで実は今までなかったアルコール飲料、「麹スピリッツ」に注目!

 
副材料(ボタニカル)は全て国内産の厳選された柑橘類やミントなどを使っている

 炭酸で割ってフルーツを入れたりすると美味しいスピリッツ。どんなものが思いつくだろうか? ジン、ウォッカ、テキーラ……様々ある。では「麹」のスピリッツがあることを知っているだろうか?

 そもそも麹は醤油や味噌、酢など日本の食文化にも必須のものだ。麹を使った醸造酒が日本酒、麹を使った蒸留酒が焼酎だ。また日本の国花はサクラ、国鳥はキジ、そして「国菌」は麹なのだ。

 ここまで来ると、麹はもはや日本人のDNAに刷り込まれているのではないだろうか?

 筆者が今回発見したのは「いいちこ」で有名な三和酒類株式会社が製造販売している麹スピリッツ「TUMUGI」だ。

 東京都杉並区高円寺で定期的に行われる飲食店が立ち並ぶイベント「座の市」で、試飲コーナーに出展していた酒屋・湊酒販のブースで試飲してみたのだ。

 「TUMUGI」にソーダを入れて季節のフルーツをふんだんに入れた贅沢な飲み方だ。美味い! そして麹の香りがどこか懐かしさを感じさせてくれる。この何杯でもいけそうな代物はなんだ?(ある意味危険?)

▼麹から作ったカクテルベースになるお酒を作りたかった

 三和酒類株式会社では元々麹にこだわった日本酒や焼酎を造ってきた。1979年に発売された麦焼酎「いいちこ」は、今やお馴染みの大ヒット商品だ。

 その中で今回、麹で作ったスピリッツ「TUMUGI」を新たに開発した理由は何だったのだろうか? 同社の営業企画部・井上文太さんに聞いてみた。

 「現在、日本には海外から観光客の方がどんどんいらっしゃっています。しかし、その観光客の方が訪れるバーでは、ジンやウォッカベースのカクテルはたくさんあっても、日本酒や焼酎がベースになっているカクテルはほとんどありません。そんな中でバーテンダーが『麹』にまつわるストーリーを語りながら、お客さんに『麹』で作ったスピリッツというものを新たに楽しんでいただく、そんなお酒を開発したかったんです」(井上さん)

 それでは「いいちこ」をバーに置いてもらうのではいけないのだろうか? という話になりそうだが、「いいちこ」はカクテルベースのお酒用には造られていない。

 まずアルコール度数が違う。「いいちこ」を含め焼酎のアルコール度数は大体25度前後だ。しかしこの度数だとカクテルベースとして使用するには少し腰が弱い。最低でも40度以上の度数が必要だという。

 そこで、風味が豊かな麹100%づくりの焼酎をベースに味に複雑さや余韻の爽やかさを出す為のボタニカルスピリッツをブレンドし、度数をしっかりと高めることでカクテルベースとして楽しめる麹のお酒として「TUMUGI」が生まれたのだ。

 2018年2月には審査を勝ち抜いて全国から集まったバーテンダーたちが「TUMUGI」を使用して創作カクテルの腕を競う「KOJI SOUR CHALLENGE」も開催されている。

 「将来、ジンやウォッカと同じように、日本酒や焼酎など麹を使った日本の伝統のお酒をたくさんの人が楽しんでくれたら、お酒文化に携わる人間としてとても嬉しいです」(井上さん)

▼高い親和性が魅力なのが「TUMUGI」

 では実際に飲むお客さんは「TUMUGI」のどのような部分に魅力を感じるのであろうか? 「座の市」の試飲ブースで、実際にお客さんに「TUMUGI」を提供する湊酒販で広報を担当する渡邉潤さんに聞いてみた。

 「ほのかに麹が香るのですが、主張し過ぎないところなのです。そのためどんなもので割っても美味しくなります」

 麹の味といってもお客さんにはわからないことが多い。そこでまず香りを楽しんでもらって、それから炭酸と旬のフルーツを入れて味わいを楽しんでもらうのだ。

 「麹は日本酒、焼酎の基本となる原料です。お客様がその麹を使った飲みやすい飲み物を美味しく飲むことにより、日本酒、焼酎全体が盛り上がっていくことを願っています」(渡邊さん)

 ちなみに井上さんのオススメの飲み方は、シンプルにソーダとトニックで割りレモンピールを入れる「ドライソニック」。渡邊さん曰く、「実はコーラで割っても美味しい」とのことだ。(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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